ギータの姿に「考え方が180度変わった」 中村宜聖が「柳田塾」で学んだ大事なこと

自主トレで汗を流すソフトバンク・中村宜聖【写真:米多祐樹】
自主トレで汗を流すソフトバンク・中村宜聖【写真:米多祐樹】

師匠からはでっかい“ニンジン”も「今年支配下になったら…」

 ソフトバンクの柳田悠岐外野手が19日、広島・呉市内で行っている自主トレを報道陣に公開した。柳田が主宰し、谷川原健太捕手や笹川吉康外野手、阪神の佐藤輝明内野手、ロッテの安田尚憲内野手、日本ハムの清宮幸太郎内野手らそうそうたる顔ぶれの中で、1人の育成選手も飛躍への足がかりを掴もうと奮闘している。

 今季で育成5年目を迎えたホークスの中村宜聖外野手。大分県大分市の生まれの22歳で、福岡の西日本短大付高から2018年の育成ドラフト4巡目で入団した。2020年に2試合、2021年には11試合にウエスタン・リーグに出場したものの、昨季は故障離脱もあって2軍戦出場なし。育成規約によってオフに自由契約になったものの、再び育成で再契約を結んだ。

 中村宜にとっては初めての「ギータ塾」入門。「球界でナンバーワンのバッターだと思っているんで、その選手であるギータさんの元でやりたいと思いました」と弟子入りを願い出た。周りを見渡せば、1軍でプレーする面々ばかり。「活躍している選手ばかりなので、自分にもいい刺激になってより高めた自主トレができていると思います」と、毎日が貴重な時間になっている。

 大先輩である柳田と同じ時間を過ごす中で「考え方が180度変わりました」という。目の当たりにしたのは球界屈指の打者となった柳田の姿勢だった。「ギータさんが1番にウオーミングアップ、ストレッチを始めて、ティーにいくのも1番、キャッチボールも1番、何事も1番に行動していて、そういう準備も大事なんだなと思うようになりました」。トップ選手であればあるほど、準備を大切にする。それを日々、痛感している。

 試合に臨むメンタルの部分でも学びがあった。柳田にぶつけた質問に対して返ってきた答えは「試合の時に考え過ぎたら、一瞬だから間に合わない」。これを聞いた中村宜は「自分の中でピンと来ました。考え方、心構えを勉強させてもらって、そういうところを学んでいます」と確かな収穫もあったようだ。

 師匠からはでっかい“ニンジン”も目の前にぶら下げられた。「もし今年、支配下になったら『なんでも好きなものを買ってあげる』って言ってもらいました。(モチベーションが)爆上がりですね!」と目を輝かせた。いよいよ始まる勝負の5年目。「まず支配下登録、そしてホークスの日本一に貢献できるような選手になりたいと強く思っています」と決意を胸に、2023年シーズンのスタートさせている。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)