空前の大補強は「僕らが勝てなかった」から 41歳・和田毅が語った思いとは

自主トレで汗を流すソフトバンク・和田毅【写真:竹村岳】
自主トレで汗を流すソフトバンク・和田毅【写真:竹村岳】

大補強に至った球団の考えを汲み取る「本気になっている証拠」

 ソフトバンクの和田毅投手が、今オフに行われた球団の大型補強に対して言及した。長崎市内で行う自主トレを報道陣に公開。近藤健介外野手やロベルト・オスナ投手らを次々に獲得したこのオフの動きに「チームが本気になっている証拠。そこはもう競争なので」と決意したような表情で語った。

 チームは昨年、オリックスと同率ながらも直接対決の差で2位に終わった。ポストシーズンでも敗れ、2年連続で日本シリーズ進出を逃す結果になった。オフに入ると、日本ハムから海外FA権を行使した近藤、前ロッテで10セーブ、防御率0.91の好成績を残したオスナ、さらにはDeNAから国内FA権で嶺井博希捕手らが加入。さらに、和田にとって早大の後輩にあたる有原航平投手の獲得まで明らかになっている。

 3年振りのV奪回へ、絶対に優勝するんだという球団の何よりのメッセージだ。過去にFAで2選手を獲得したのは、2010年の内川聖一と細川亨、2013年の中田賢一と鶴岡慎也の2度。翌年の2011年も2014年もリーグVに輝いた。現有戦力にとっては競争相手が増えることも意味する。過去を振り返ってもなかなか類を見ないような大型補強を、41歳のベテランはどう受け止めたのか。

「自分のチームですけど、すげえなって感じです。それだけチームが本気になっている証拠ですし、補強するにあたったのは、僕らが2年間勝てなかったというのがあると思う。勝つためには戦力を上げないといけないですし、そこはもう競争なので」

 ソフトバンクは毎年、優勝を狙うチームだ。2年連続で優勝を逃しているとなれば、今季はなりふり構わず頂点を狙いに行かなければならない。投手ならオスナや有原のほか、前阪神のジョー・ガンケル投手も獲得。現役ドラフトで前日本ハムの古川侑利投手を加え、ドラフトでは2位で大津亮介投手(日本製鉄鹿島)、5位で松本晴投手(亜大)を指名している。

 昨年7勝を挙げた和田は、自主トレを共にする板東と藤井も含めてローテを争う立場で「個の力を上げていけないとチーム力は上がっていかない。自分のレベルを、チームに貢献するレベルに上げていかないと」と力を込める。チームの層を厚くすることはもちろん、現有戦力の競争心も煽る。フロントが補強にこめたメッセージは、キャンプインに備えている選手たちを燃え上がらせている。

(竹村岳 / Gaku Takemura)