板東湧梧が悲鳴「心が折れそう…」 想像を絶するキツさだった和田毅の“食トレ”

自主トレで汗を流すソフトバンク・板東湧梧【写真:竹村岳】
自主トレで汗を流すソフトバンク・板東湧梧【写真:竹村岳】

12月中に準備「いけるだろ、と思っていたんですけど…」

 想像をはるかに超えていた。ソフトバンクの板東湧梧投手が9日、長崎市内で和田毅投手らと共に行う自主トレを公開。大先輩の和田と初めて自主トレをともにしているが、その“食トレ”が半端なく、早くも悲鳴をあげている。

 板東は昨年12月、都内で自主トレを行っていた。目指したのはシーズンを完走するためのスケールアップだ。「投げることと、食べることをとにかくやりました。今と同じ、5勤1休くらいで。今まで経験したことのないようなパンプアップをしています。外食しかできなかったんですけど、量もバランスも考えて食べました」と、トレーニングと食事に力を注いだ。

 その効果は、厚くなった胸板を見れば一目瞭然。「平均球速というところにつながればいいかなと。バテないように。コンスタントに150キロを投げられる投手というのは目指したいですよね」。体重を自己最高だという86キロにまで増やして、この自主トレにやってきた。「噂には聞いていたので。食事の面とランニングと。最低限の準備をしているつもりではあります」と心づもりをしてきたが、想像を超えた過酷さだという。

 和田の自主トレは、日中の練習を終えると、参加している選手全員で長崎市内の飲食店に向かう。個室で膝を突き合わせ、量だけではなくバランスまで考えられた食事が次々とテーブルに並ぶのが毎晩の恒例だ。タンパク質がメインになっているといい、12月に板東自身で摂っていた食事と比較しても「全然、今の方がいいです。自分でやらないといけないのもあってコンビニ食とかも多かったですけど。バランスも内容もいいので」と言う。

 飛躍を目指して、オフから食事ととことん向き合い、胃袋まで大きくしてきた板東でも「今でもキツいです。準備したからちょっと自信はあって、いけるだろと思っていたんですけど。日に日に(量が)増えていくので。ちょっと、心は折れそうです」と苦笑いを浮かべてしまうほど。2月で42歳を迎える大ベテランのすごさを、食事を通して感じている。

 昨季は25試合に登板して3勝3敗。後半戦から先発ローテーションに加わり、経験を重ねた。今季掲げる目標は15勝。昨年の秋季キャンプで、斉藤和巳投手コーチに誓った。「達成したところをイメージして、自分はもう(15勝投手に)なっているんだとふるまうようにしているので。かといって何を変えたとかわからないですけど、自分の中ではそのつもりで過ごしています」。和田との日々を力に変えて、必ず優勝の原動力になる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)