小久保2軍監督が語る「僕らの仕事」 4軍制発足で首脳陣により求められること

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】

4軍制の発足で2軍の在り方にも変化?「まずは2軍出場」

 ソフトバンクの小久保裕紀2軍監督は2023年、ファームの指揮官として2年目のシーズンを迎える。初めて若手選手と共に過ごした2022年を経て、今季をどう戦っていくのか。新たに4軍が発足するファーム改革の1年に向けた展望を、新人合同自主トレ初日を視察した8日に語った。

 1年の2軍監督経験を経て、指揮官は思いを強くしていた。ファームの指導者として果たすべき役割。「僕らの仕事って、選手の到達点、着地点をある程度描いてあげることだと思っているんです。そこを間違えないようにするっていうのは、昨年から引き続きやらないといけないこと。今の仕事に携わってる限りは、それが一番大事なことだと思う」と言い切った。

 昨季は2軍監督として1年目のシーズン。手探りでさまざまなやり方を模索しながら、選手たちと関わってきた。厳しく、その中で深い愛情を持って歳の離れた若者たちと接した。野球の技術だけでなく、プロ野球選手としてのあるべき姿、取り組む姿勢、さらには社会人や人間として必要なことなど“人間力”も教えてきた。

 選手の到達点、着地点を考える中で、今年はある“アプローチ”も考えている。「若田部さん(3軍投手コーチ)とも話していましたけど、ある選手が3年目を迎えるにあたって『今のままではもう(支配下登録は)無理や』という判断も僕らがしないといけないのであれば、どうアプローチをしようかと。今の1軍を考えて『ここの層が薄いよね』『ピッチャーのここの層が薄いから、そこに入るためには大幅な改造するのも1つの手ですかね』というような話で、僕らはやっていかないといけない」。

 育成選手たちの当面の目標は、1軍の公式戦に出場できる支配下登録を勝ち取ること。ただ、その壁を乗り越えるのは決してたやすくはない。ソフトバンクの場合、支配下登録の選手と同レベルというだけでは、その切符はつかめない。あくまでも昇格の基準は“1軍での活躍が期待できる”こと。1軍の戦力になり得る存在と認められなければ、昇格の知らせは届かない。1軍の戦力になるにはどうしたらいいかという導きも、ファーム首脳陣の考えるところなのだ。

「選手1人1人の見極め、着地点をより鮮明に伝えてあげるというのが仕事だと思う。だから見ないといけないなと思いますね。そこで首脳陣の中で意見のすり合わせってのは必須になると思います。特にこれだけ2軍、3軍、4軍の首脳陣がいるんで、軍が変わるごとに言われることが違うということがないようにしないといけないのは僕らの仕事」。小久保2軍監督が常々口にするのは“選手を迷わせないこと”。1軍から4軍まで一貫した指導方針にするためにも、これまで以上に密な連携が必要となりそうだ。

 今年、4軍が発足し、支配下と育成合わせて20人のルーキーがチームに加わった。チーム全体では120選手を超える大所帯となり、2軍の立ち位置もこれまでとは変化しそうだ。2軍の下に3軍、さらに4軍があり、それぞれに実戦が組まれる。プロ入りから日の浅い選手たちにとっては1軍よりも、まず2軍で試合に出られるかどうかが目指すべきところになってくる。

 小久保2軍監督は「去年は2軍で出ていた選手でも、今年入ったルーキーの方がいいとなれば、その子たちを優先して使う。育成のレベル中では一緒なことになるんで、そういうことも言える。下からの目標設定もそうですし、2軍から3、4軍に行く危機感もより一層増すんじゃないですかね。2軍公式戦に出場という目標設定をする選手も増えると思う」と語っている。

 2軍は1軍への戦力を供給する場所でもあり、1軍に近づいている選手たちの育成の場でもある。「まだ憶測ですけども、2軍の試合に出るために3、4軍で頑張って、まずは2軍出場。そういう選手をうまく吸い上げて、試合で経験を積ませて。また1軍に即戦力として送らないといけない選手は、そのように使わないといけない。外国人も結構獲っているので、大渋滞するところをうまく処理していかないといけないですね」。どうチームをマネジメントしていくか。小久保2軍監督が果たすべき役割は、昨年以上に難しいものになりそうだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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