「プロ野球の世界では当たり前」大型補強で若手どうなる? 藤本監督が語る“競争”

会見に登場したソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
会見に登場したソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

大型補強で若手の出場機会減も危惧される中で「そういう世界ではない」

 試練を乗り越えた若鷹だけが、レギュラーに近づいていける。今オフ、大型補強を敢行したソフトバンク。米大リーグ・レンジャーズ傘下3Aから自由契約となった有原航平投手を獲得することも判明し、さらに戦力層に厚みを持たせることになった。

 補強と育成は相反するイメージだ。昨年、チームは2位に沈んだものの、三森大貴内野手や野村勇内野手、柳町達外野手ら若鷹が台頭。主力選手が新型コロナウイルスで離脱した8月には増田珠内野手、野村大樹内野手、正木智也外野手らがチームを支えた。しかし、勝利こそが常勝軍団の使命。3年ぶりのV奪回に向けて近藤健介外野手、ロベルト・オスナ投手、嶺井博希捕手など、次々と新戦力を獲得した。

 6日には2023年のスローガン「鷹!鷹!鷹!(おう!おう!おう!)」を発表し、会見に参加した藤本監督もこの大型補強について言及した。「フロントがこれだけ大きな補強をしてくれて、やらないといけないという思いが強いですね。今年は目標が優勝じゃなくて、優勝します! 日本一になります!」。現場を預かる指揮官として、背筋をピンと伸ばした。投手も野手も競争がどんどん激しくなっていく中で、若鷹を含めた現有戦力にもメッセージを送った。

「当然、プロ野球の世界ですからトレードとか補強とか当たり前ですし、その人たちが入ってきたから若い選手がチャンスがないとか、そういうふうな世界ではないですから。若い選手は去年いい経験をしたんだから、競争に割り込んでくるように、2月1日からアピールしてもらいたいと思います。当然、世代交代というのもやっていかないといけないですからね」

 力がある選手がグラウンドに立つのがプロ野球の世界。チャンスで結果を出せば出場機会を与え、その積み重ねがレギュラーに近づくのだと強調した。「(2022年に)経験をした選手がしっかりと芽を出してくれると思っていますから」。勝つからこそできる世代交代。優勝を目指す中で、藤本監督は若手の成長も確かに願っていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)