トップは“あの”新人、上位は意外な結果に データで見える選球眼の優れた選手は?

ソフトバンクのフレディ・ガルビス、正木智也、中村晃(左から)【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのフレディ・ガルビス、正木智也、中村晃(左から)【写真:藤浦一都】

打席数における四球割合を示す「BB%」で2位はガルビス、1位は…

 惜しくもリーグ優勝を逃した2022年のホークスの戦いを、データで深掘りしてみたい。近年、打率と共に重視されるのが出塁率。ヒットを打つだけでなく、四球を選んで塁に出ることも選手の能力の1つとされる。では、今季のホークスで最も四球を選んでいたのは誰だったのだろうか。

 シーズンの四球数では中村晃外野手の45個が最多で、柳田悠岐外野手の43個、甲斐拓也捕手と柳町達外野手の38個、今宮健太内野手の37個の順で多くなる。ただ、これを各々の打席数における四球割合を示す「BB%」という指標で見ると、その顔ぶれは大きく変わる。

 セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAの指標を参照し、今季50打席以上立った選手で見ると「BB%」の第5位は四球数では3位だった甲斐で9.4%。今季は打撃不振に陥り、打率.180と苦しんだものの、出塁率は.275と打率プラス1割弱の出塁率を残していた。選球眼は決して悪いわけではなく、あとはひと振りで仕留める確実性を上げて打率を上向かせたい。

 4位は四球数トップだった中村晃。BB%は10.3%だったが、これは過去と比べるとやや低い数字。もともと選球には定評があり、12%前後の数字を記録していた。中村晃を上回って3位だったのが柳町だ。打席数が少ない中でチーム3位タイとなる四球を選んだだけにBB%も高い数字に。打率も残せるタイプだけに、出塁能力は高い。

 主力クラスよりも高い11.5%を叩き出し、2位に入ったのはフレディ・ガルビス内野手。来日1年目は打撃がふるわず打率.171に終わったものの、BB%はチーム2位という高さを誇った。出塁率は打率プラス1割強となる.285。日本の野球にも慣れてきた8月には打率.304、出塁率452を記録しており、2年目となる来季に期待したい。

 1位に輝いたのはルーキーの正木智也外野手だ。今季は80打席と打席数こそ少なかったが、BB%は12.5%を記録。三振率も高かったが、打率.254に対して出塁率は.367と高く、三振の多さに目を瞑れば、大きな期待ができそう。来季、確実性が向上すれば、一気にレギュラーに近づく存在になるかもしれない。 

○2022年のBB%ランキング
1位 正木智也 12.5%
2位 ガルビス 11.5%
3位 柳町達 10.4%
4位 中村晃 10.3%
5位 甲斐拓也 9.4%
6位 谷川原健太 9.3%
7位 柳田悠岐 8.8%
8位 リチャード 8.6%
9位 グラシアル、デスパイネ 8.5%

(鷹フル編集部)