投手歴わずか半年でプロから指名 育成ドラ12飛田悠成が秘める無限の可能性

育成12位で指名を受けた飛田悠成【写真:福谷佑介】
育成12位で指名を受けた飛田悠成【写真:福谷佑介】

小中学校時代は遊撃手で金沢高でも2年秋までは遊撃手だった

 ソフトバンクに来季も新たな戦力たちが加わる。12月5日の新入団選手発表会見でお披露目された支配下6人、育成14人の計20人のルーキーたち。育成ドラフト12巡目の飛田悠成投手は、投手歴わずか半年でホークスから育成指名を受けた“隠し玉”だった。

 横浜市出身で寺尾ジャイアンツ、横浜緑リトルシニアを経て横浜市立金沢高へ。小・中学校時代は遊撃をメインとした内野手で、投手経験は一切なし。初めて投手に挑戦したのは高校2年の秋だった。

「自分のキャッチボールを見た監督から『やってみないか?』と言葉をかけていただいて。最初は戸惑いもあったんですけど、ぜひお願いしますと。それが最初です。他の人に比べて伸びとか強さが違うと言っていました」
 
 公式戦で初めて登板したのは3年生の春になってから。その後も遊撃手と並行して投手を務めた。3年夏の神奈川大会でも遊撃手として先発し、試合途中からマウンドへ。当初は内野手への思い入れが強かったものの、徐々に「投手の方が勝負になるなと思った」と可能性を感じるようになったという。

 投手歴半年でストレートの最速はまだ141キロ。それでも担当の松本輝スカウトは「腕が長くしなりがあり、将来性を感じる選手。1?2年で体を作れば、大きく成長する可能性を秘めている」と評価する。無限の将来性を秘めた右腕だ。

 特技はちょっとした手品。投手経験が浅いこともあり、プロではまず身体作りと投手として必要な能力を身につけていくことが先決になるだけに、支配下登録は「1、2年後くらいに」と描く。まずはじっくりと、大輪の花を開かせるための土台を作っていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)