あの新人は球界トップクラスの打者だった 指標で見る“真の長距離砲”は?

指標で見る“真の長距離砲”は?【写真:藤浦一都】
指標で見る“真の長距離砲”は?【写真:藤浦一都】

主砲ギータやデスパイネを上回りトップだったルーキーは…

 惜しくもリーグ優勝を逃した2022年のホークスの戦いをデータで深掘りしてみたい。プロ野球の華といえば、ホームラン。そして二塁打や三塁打といった長打は試合の流れを変える大きな力を持つ。では、今季チームで「長打力」に優れていたのはどの選手だったのだろうか。

 野球を科学的に分析するセイバーメトリクスには「ISO」という指標がある。これは打者の長打力を表すとされる。従来の長打率には単打による塁打数も含まれており、打率さえ高ければ単打ばかりでも長打率が高くなってしまう。より純粋に長打を打つ能力を評価するために、この「ISO」という指標が用いられるようになった。

 今季50打席以上立った選手で、「ISO」で第5位だったのがリチャード内野手。70打席で10安打を放ち、そのうち本塁打が3本、二塁打が1本でISO.159となった。4位はデスパイネ外野手で.175。今季チームで2位となる14本塁打を放った大砲だが、ISOでは4位だった。

 3位はルーキーの正木智也外野手だ。プロ1年目はわずか80打席に終わったものの、その中で3本塁打、4二塁打を放ち、ISO.194をマーク。パ・リーグ全体で見ても、50打席以上立った打者の中で7位に位置する。正木はリーグでも指折りの長打力を持つ選手だった。

 2位だったのは、ホークスが誇る主砲・柳田悠岐外野手だ。今季は24本塁打にとどまり、ISO.211だった。これまで2割台中盤から後半をマークしてきていただけに、例年に比べれば低い数字。この数字からも今季、柳田が打撃面で苦しんでいたことが分かる。

 主砲の柳田を抑えて、1位に立ったのは、こちらもルーキーの野村勇内野手だ。今季は97試合の出場で203打席に立ち、球団の新人最多本塁打記録に並ぶ10本塁打をマーク。さらに二塁打が9本、三塁打も3本放っており、43安打のうち、ほぼ半数が長打で、ISO.250を叩き出した。

 これはパ・リーグ全体でも西武の山川穂高内野手に次ぐ2位の数値で、オリックスからレッドソックスへの移籍が決まった吉田正尚外野手をも上回る。打率.239、三振率も30%を超えており、確実性に課題は残すものの、そのパンチ力は球界屈指。弱点を克服できれば、末恐ろしい打者になる可能性を秘めている。

2022年のISOランキング
1位 野村勇 .250
2位 柳田悠岐 .211
3位 正木智也 .194
4位 デスパイネ .175
5位 リチャード .159
6位 谷川原健太 .125
7位 三森大貴 .122
8位 今宮健太 .113
9位 グラシアル .110
10位 牧原大成 .108

(鷹フル編集部)