今季は7本塁打もなぜ目標「1本」? 今宮健太が来季も続ける“禁欲”生活の中身

ソフトバンク・今宮健太【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・今宮健太【写真:荒川祐史】

これまでの悪癖、長打を欲するがゆえに「欲が体を振らせてしまう」

 手応えを感じているからこその目標「1本塁打」だ。ソフトバンクの今宮健太内野手は来季の目標に「理想はホームラン1本で終わること」と掲げる。そこには、手に入れた確かな感覚が意図となって表れている。

 今季は130試合に出場してキャリア最高となる打率.296、7本塁打、47打点。5年ぶりに規定打席にも到達するなど、復活を印象付けたシーズンだった。安定した打撃内容の要因に「長谷川(打撃)コーチ、藤本監督に振りすぎるな、とずっと言われていましたし、意識して長谷川コーチと考えながらやってみようというのは続けられた。ホームランを打ちたいという欲を抑えるというのは凄く意識しました」と自己分析した。

 昨秋に就任した藤本監督からもコンパクトな打撃を勧められ、打撃を改造。2016年から4年連続で2桁本塁打を記録していたが、ホームランを求めない意識が、そのまま数字となって表れた。

 長いシーズンだ。7月は月間打率.203と、一時期は疲れなどもあり「やっぱり打球が弱くなったなっていう感じはあった。もっと強く振らないと、打球が前のように戻らないのかな、と。その時がちょっと苦しかったですか」と揺らいだ。それでも「振った方がいいのかなっていう感覚に陥るところはあったんですけど。そういうところも感じられた、本当に継続して我慢できた1年だったなと思う」と最後まで自分を信じ続けた。

 5年ぶりのベストナインに輝くなど確かな手応えがあるからこそ、掲げた来季の目標。1本塁打は極端な表現かもしれないが「欲を持たないというところ。勝手に(本数が)増えていくのはいいので」という今宮なりの決意。「(長打を)打ちたいと思って打つ選手じゃないですし、欲が体を振らせてしまう。欲は捨てて、センター前が一番気持ちいいくらいの感じでやっていきたい」とも語る。

 22日に行われた契約更改交渉では年俸3億円(金額は推定)で2年契約を結び、新たな一歩を踏み出した。最大の目標であるリーグ優勝と日本一奪還に向けて「チーム一丸となって優勝を全員で思って戦っていかないといけない。来年こそはという気持ちで持たせていきたい」と闘志を燃やしていた。

(鷹フル編集部)