監督は先発構想も、救援を推す声多数… 杉山一樹を悩ませる生きるべき道は?

秋季キャンプで投げ込むソフトバンク・杉山一樹【写真:福谷佑介】
秋季キャンプで投げ込むソフトバンク・杉山一樹【写真:福谷佑介】

「9割9分の人からリリーフというアドバイスをいただいて…」

 先発でいくべきか、それともリリーフなのか。ソフトバンクの杉山一樹投手の胸中が揺れている。今季は10試合登板のうち、9試合で先発したが、1勝3敗、防御率6.80と結果を残すことはできなかった。42回1/3を投げて26四球と課題の制球面を改善できず、25日の契約更改後の会見では「今年1年、すごく迷惑をかけました」と反省の言葉を並べていた。

 秋季キャンプでは連日、ブルペンに入って投げ込むことで体に染み込ませた。新任の斉藤和巳1軍投手コーチからも「信念を持ってやり続ける。自分がこれだと思ったら、誰に何を言われても、失敗したら自分で責任を取ればいい」という金言を授かるなど、とにかく自分を変えようと必死な日々を過ごした。

 注目が集まるのは来季の起用法だ。今季は主に先発で起用されたものの、結果には繋がらず。杉山自身は「こだわりはない」というが、周囲からは驚きの反応があったとも……。「一番はチームに貢献したい。どちらかに絞るというのは今は考えていない。ただ、今年1年、球団の納会パーティーが終わるまで9割9分の人からリリーフというアドバイスをいただいて、ただ1人(藤本)監督だけから先発という話をいただいた」と複雑な心中を明かした。

 恵まれた体格で、最速160キロの直球を誇る。多くの人がリリーフを勧める中で、指揮官は先発としての可能性を信じていた。藤本監督とは来季に向けて「大雑把な話しかしていないです」というが、今は先発でもリリーフでも対応できるようにトレーニングに励んでいる。投球の内容についても「僕の場合、新しい球種を覚えるというよりもコントロールを直していかないと」と明白な課題の克服に注力している。

 チームはこのオフ、今季ロッテの守護神として活躍したロベルト・オスナ投手を獲得。「8回の男」として躍進を支えた藤井皓哉投手が先発転向を目指すなど、投手陣も来季に向けてすでに動き出している。大きな可能性を秘めた杉山の置きどころも、競争に影響を与えそうだ。

(鷹フル編集部)