なぜ甲斐拓也は打率.180で現状維持2.1億円? 三笠GMが語る評価の内情

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】

球団内で見直している捕手の評価基準「ディフェンスのウエートが大きくなっている」

 ソフトバンクの甲斐拓也捕手が21日、本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、現状維持の年俸2億1000万円(金額は推定)で来季の契約にサインした。今季は打撃面で打率.180と大不振に終わった甲斐だが、球団側の提示は現状維持。その評価の理由を三笠杉彦GMが語った。

 更改後の会見では「チームの足を引っ張ったし、何も貢献できなかった。申し訳ないという思い。1年だしてもらってこの結果で足を引っ張ったと思っています」と懺悔した。甲斐自身は「ダウンになるのかなと思っていた」と減額も覚悟した中で、球団側は今季から年俸を据え置いて提示を行った。

 三笠GMは「打撃で苦しんでいたのは誰から見ても明らか」と攻撃面での苦戦を認める一方で「若い投手もいる中で、扇の要としてチームを支えてくれたのを評価してのところ」と正捕手として怪我なく試合に出続け、結果的に優勝は逃したものの、最後まで優勝争いを繰り広げたところを評価した。

 ソフトバンクは昨オフ、捕手の査定面を見直し、オフェンス面だけでなく、数字には表れにくいディフェンス面の比重を大きくした。他のポジションに比べて肉体的、精神的な負担も大きいポジションで、三笠GMも「捕手として試合に出て、イニングをこなすと基礎的な評価を高めるように査定を変えた」と語っている。

 この日の更改後にも「甲斐選手に限らず、キャッチャーとしての査定の考え方についてディフェンス面での役割の大きさ、評価を見直しているということでありますし、他の選手に比べてディフェンスのウエートが大きくなっているところは事実。キャッチャーの評価はディフェンス面が大きくなっている」という。打撃面では低調だったものの、守備面での貢献を評価しての現状維持だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)