驚異の飛距離…異名は“ロンティーオバケ” 育成の大砲候補が挑む一本足打法

ソフトバンク・川村友斗【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・川村友斗【写真:上杉あずさ】

仙台大から今季加入した川村が強烈に意識するドラ3甲斐生海の存在

 ライバルの加入に燃えている。2021年育成ドラフト2巡目で仙台大から入団した川村友斗外野手は、ルーキーイヤーの今季を「もっとやれるかなと思っていたんですけど、全然ダメだった」と振り返る。1年目は2軍で39試合に出場し、打率.193。3軍では54試合に出場して打率.261だった。

 左の大砲候補として大学時代も様々なタイトルを獲得した川村の一番の持ち味は、やはり長打力。ロングティーでは簡単にバックスクリーンに直撃するような豪快な打球を放ち「ロンティーオバケ」の異名を誇る。入団して最初の春季キャンプでも、早速、その飛距離で首脳陣の度肝を抜いた。2、3軍を通じて今季の本塁打は5本だったが、その長打力には期待が膨らむ。

 持ち味以上に本人が手応えを感じたのが守備と走塁だった。「意外と通用するなと思ったので、あとはバッティングです。長打は欲しいんですけど、意外と走れたので。とにかくアピールするためには塁に出ないといけないと思いました」と話す。盗塁数は2軍で5個、3軍で12個と計17盗塁をマークした。支配下登録を勝ち取るには、持てる力を存分にアピールしていかなければならない。

 2年目となる来季に向けて川村は打撃改造に取り組んでいる。それは一本足打法。秋のキャンプから挑戦しており、感覚を磨き、タイミングの取り方など試行錯誤中だ。「特打で小久保(裕紀)2軍監督に投げて頂いていて『ちょっと足を上げてみろ』って言われて上げてみたら『そっちの方がいいんじゃないか』となって。今年1年、すり足でやってきて結果が出なかったので、ちょっと時間あるしやってみようかな」とキッカケを語る。

 現役時代に足を上げていた小久保2軍監督からのアドバイス。「タイミングを取るのが難しいかなと思ったんですけど、(小久保監督に)ピッチャーが脚を上げたらバッターも脚を上げるのが基本って言われて。自分、タイミング取るのが下手くそだったので、その意識でやってみるようになっていい感じかなと思います」。指揮官によれば、一本足打法でお馴染みの王貞治球団会長もその意識でタイミングを取っていたのだという。

 来季は後輩も加入、4軍制もスタートし、ライバルは一気に増える。その中でも“ある選手”を意識していた。「3位で入った甲斐(生海)は同じリーグで見ていたんで、気合い入れなきゃなと……」。川村の1学年下で、東北福祉大の甲斐生海外野手は同じ仙台六大学野球リーグでプレー。面識はないが、そのパンチ力が強く印象に残っていたという。

「僕が2年の時の1年生で、新人戦でいきなり出てきてホームラン打ってて、『ヤバっ』と思って。僕が3、4年の頃は出ていなかったんですけど、後輩の試合とかチェックしてたら打ってて『こいつヤバいわ』と思いました。ドラフトも見ていたんですけど、ホークスが3位で指名して『マジか』って感じです」。同じ外野手で左の長距離砲の加入で尻に火が付いた。今季の経験と一本足打法で、ライバルたちに負けないものを確立するオフにしたいところだ。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)

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