「6年間で1勝もしていない」16年ドラ1田中正義の決意 開花へ感じる手応えとは?

契約更改を行ったソフトバンク・田中正義【写真:代表撮影】
契約更改を行ったソフトバンク・田中正義【写真:代表撮影】

「着実に課題を詰めていけば、来年しっかりやれるんじゃないかと思います」

 2日に本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、100万円ダウンの年俸1200万円(金額は推定)で来季の契約を結んだソフトバンクの田中正義投手。2016年のドラフト1位右腕はダウンでの契約にも「本当にありがたいの一言というか。来年も野球をやらせてもらえる。契約をいただいて感謝しています」と、感謝の思いすら口にした。

 2016年のドラフト1位で創価大から入団した田中正は今季、先発ローテ入りを争いながら、右肩痛で開幕直前に離脱。その後はリハビリ組での調整が長く続き、ファームで実戦復帰を果たしたのは7月も半ばになってからだった。8月13日に今季初めて1軍に昇格したものの、今度は新型コロナウイルスの陽性判定を受けて再離脱。登板した試合では1失点もしなかったが、わずか5試合の登板にとどまった。

 ドラフト時は5球団が競合した右腕も今季が6年目。今年こそ、今年こそ、と期待されながらも、故障に悩まされる日々が続いている。昨季はキャリア最多の18試合に登板も、今季は5試合に。登板した試合でのパフォーマンスは目を見張るものがあるが、なかなか、それをシーズンを通してできない、もどかしい日々が続いている。

 チームにこの6年間、貢献できていないことは田中正自身が理解している。この日の会見でも「6年間で1勝もしていない。今年も5試合しか投げていない。来年も野球ができるというのはありがたい。本当に頑張らないといけないと思います」と忸怩たる思いを口にする。交渉の席で球団幹部から「人はいつ花開くか分からない。早い人もいれば遅い人もいる。期待している」と言葉をかけられ「毎年言っていただいてる申し訳なさもある。結果で見せられるように」という。

 ただ、自らの中で着実に進化と手応えも感じている。6年目を終え「自分の足でしっかり歩いているような感じがようやく出てきた。着実に課題を詰めていけば、来年しっかりやれるんじゃないかと思います。自分のことを冷静に見られるようになってきましたし、ここをああして、こうしてボールを投げていけばいけるんじゃないかというのはだんだん出ているので。そこが見えてきたのが一番大きいですね」と自信も芽生え始めている。

「一番は怪我しないこと。それが最低条件。そのうえで変化球とコントロールというのが僕の課題なので、そこを詰めていきたいです」と語る田中正。来季は7年目。危機感も募らせるドラ1右腕の開花の時を迎えられるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)