2年目捕手・牧原巧汰の姿勢を称賛「いいことだと思います」 藤本監督の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:伊藤賢汰】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:伊藤賢汰】

オリックス入り決定の森友哉は「捕手として嫌らしさはない」

 ソフトバンクは16日、宮崎市の生目の杜運動公園で秋季キャンプ第4クールの初日を行った。キャンプも残り3日となる中で、この日も野手陣は精力的にバットを振り込んだ。練習終了後の藤本博史監督の一問一答全文は以下の通り。

――午後のティーバッティングは活気がありました。
「みんな一生懸命バットを振ってるし、最初の頃に比べたら姿勢も良くなってきてる。みんな強くなってきてるんじゃないかなと思いますね」

――ゴムで腰や足を引っ張る場面が。
「楽しようと上ばっかりで行くから、後ろから引っ張ったら戻るでしょう。それだけです。バランス良く振らないと。下半身を使ってやるから、それがしんどくなったら下半身を止めて、上だけで振る。後ろから引っ張ったら自然と戻ってくるでしょう」

――海野くんも必死に。
「あいつも元気だしね、ああいうのを20本10セットするんやったら、1人で2セットでも3セットでも余分にやっていたら、自分のためだよっていうことで。牧原巧なんか自分で15セットやってるからね、いいことだと思います。人と同じことやっていても、差は縮まらないってことだからね」

――牧原巧選手は強い打球も打てている。
「ちょっとやり方が、股割りティーなのに、股割り連ティーしてるから、ちょっと趣旨が違うんだけどね。ゆっくりやった方がしんどいんだから。でも、強くバットを振れるようになったよね、牧原も」

――明日はチームバッティングを。
「明日入るんじゃないですか。前回よりは確率が上がっているように。1週間で上がるわけじゃないと思うけど、より一層集中してやってくれたらいいんじゃないかなと思います」

――昨日はアストゥディーヨの捕手起用の可能性について話していた。一方で渡邉陸選手や海野選手ら若い捕手の使い方は。
「来てみないとこればっかりは分からないんでね。僕が監督になって見たのが、ガルビスとチャトウッドの2人だけ。投げている方はピッチングコーチにも見てもらってるけど、アストゥディーヨはキャッチャーをやってる姿とか、サードやって飛びついている姿とか、ホームラン打っているシーンとかは見てるけど、凡打したシーンは見てないから。こればっかりは分からないですよ」

「成績だけ見て、三振が少ないってのは分かることだし、コンタクトはうまいのかな、どんな形でも芯で捉えるというところが優れているのかなと思う。だから、期待はすごい持ってるけど、逆に、来てみて『えっ』て思う可能性も十分あるわけですよね。ガルビスなんかもバナザードに近いなって思ったけど、それは良いところしか見てないから。これからね、海外の人(国際担当)に言って、見せてもらう時は凡打したところも、例えば2、3分でいいから、撮って見せてくれと。どういう凡打してるのか。考えようによっては、四球が10個くらいしかないんだったら、ゲッツーは何本打ってるのかとか、悪いところの数字も出してもらった方がわかりやすいと思う」

「あくまで助っ人としてくるわけですからね。日本でやってる選手のレベルと一緒じゃ困るわけですから。それなら日本の選手を使います。助っ人は助っ人の格というかレベルで、日本でやってもらいたいのがある。駄目だったら駄目で考える。甲斐がメインなのは当然だし、そこに渡邉陸あるい海野っていうところが今年以上に入ってこないといけないと思っていますし、その辺は考えていますよ」

――若い捕手を育てるというのは難しい。
「キャッチャーはリードだから。ピッチャーの信頼度。ローテーションに入ってるピッチャーが『え?』って顔しただけで、ピッチャーの心理が崩されてしまうわけだからさ。気持ちが入ってこない可能性もあるし、その辺の信頼というのも大事だと思う。渡邉陸は今年10何試合出て、そこで信頼を得られたかというと、得てないよね。自分の思うような配球、リードして、最後に一発打たれて、そこからもうアウトコース一辺倒になったとか。本人がそれは自分で分かっているからね、1球の怖さというか。それがいい経験でいい勉強だから。それが渡邉陸が来年、30試合から40試合マスクを被れるようになったら、もっと成長じゃないかなと思う」

「そういう形になればいいし、当然、甲斐も負けじと全試合出場って考えてやってくれるでしょう。そこはいい競争をしてくれたらいいということ。渡邉陸が甲斐のリード、甲斐のブロッキング、甲斐の肩を真似できるかっていうと、そこは難しいと思う。じゃあ、何で甲斐に並ぶのかっていうと、打つ方ですよね。打てるキャッチャーでやったらどうかというところで、今ずっと特打も入れてもらっているし、その辺が良くなればいいんじゃないかなと思っています」

「海野にも言いましたよ。甲斐と同じ自主トレして、甲斐のリードを真似しても、甲斐には勝てんよ、と。海野は海野のリードをしないと。キャッチャーが海野に代わりました、甲斐より外が多いよってなったら、もっとやりやすい。その辺はやっぱり、いろんな人の話を聞いて、ここで一発は駄目とかセオリーは分かっているわけだから、一発打たれないためにどうしたらいいかって。吉田正尚やったら、相手の体の側に構えるとかね、大胆にやってもいいんじゃないか。あ、こいつ大胆なキャッチャーやな、で、海野が目立つわけなんで。そういう意味じゃ、みんな競争ですからね。アストゥティーヨが来ると言っても、本当来て蓋を開けて見ないと分からない状態なんで。レギュラーを空けているわけじゃないですよ。そこはみんな競争。甲斐がいて、甲斐を抜くようなキャッチャー、みんな競争してくれていいわけだから。そこでよかったら試合にたくさん出られるし、という感じじゃないかなと思う」

――森友哉選手のオリックス入りが発表。
「嫌なバッターだからね。けど、キャッチャーをしてくれたらチャンスはあるから。偏るリードがあるとかさ、インコースを攻めるけど、それは意味があってインコースにいってるのかとか、こっちで考えられるところはあるから。欠点もあるよね。西武におっても嫌だし、オリックスに行っても嫌。打つ方に関したら嫌なバッターですけど、キャッチャーとしてそんな嫌らしさはないんでね」

――近藤健介選手とは何を話された。
「電話で話しましたよ。近藤くんは2000本目指しているだろうし、こちらとしても高い出塁率、バッティング技術ってのはすごい買っているんで。1番を打てるバッターですし、1番から5番全部打てるんで、そこにピースとして100%ハマるので、ぜひ来てくださいって言いました。ありがとうございます、と」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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