7年目こそ覚醒なるか… 「もう後がない」2016年ドラ1田中正義が滲ませる覚悟

ソフトバンク・田中正義【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・田中正義【写真:荒川祐史】

今季は右肩痛や新型コロナの影響で5試合登板止まり「評価のしようがない」

 5球団が競合した2016年のドラフト会議から6年。ソフトバンクの田中正義投手が危機感を募らせながら、秋のキャンプを過ごしている。6年目の今季は、1軍登板が5試合止まり。「もう後がないと思うので、しっかり先発に入っていけるように頑張ります」。来季こそ先発ローテーション入りへ。そんな志を胸に宮崎で汗を流している。

 今季は開幕ローテ候補に名前が挙がりながら、開幕直前に右肩の違和感で離脱。その影響で出遅れると、8月には1軍昇格を果たしたものの、2試合に投げたところで新型コロナウイルスに感染し再び戦列を離れた。不運も重なったシーズンは「5試合しか投げてないので評価のしようがない」という。

 2016年のドラフト1位右腕も、プロ入り後は怪我との戦いだった。右肩や右肘を痛めて投げられない日々も多く、苦しい日々を送ってきた。気づけば、来季は7年目になる。「とにかく怪我をしないように、というのが僕の課題としてあるので、そこをしっかり取り組んでいけたらいいと思います」。来季こそは先発ローテの一角として――。そんな覚悟を胸に秘めている。

 キャンプ序盤、ブルペンでの投球練習では左足を高く上げないフォームでボールを投げ込んでいた。「あまり反動を使いすぎちゃうと、自分のコントロール下に置けない感じがして。今はああいう形になっているという感じです。もっともっと体が強くなって変わっていくと、足を上げてもぶれなくなってくると思うんで、そこはまだ完成ではないです」。反動を使わない投球フォームへの変化を模索している。

 新たに就任した斉藤和巳1軍投手コーチからも「目指している形にしたいのであれば、体幹を強くしていかないといけない」と助言を受けたという。大器と評されながら、6年の月日が経った。7年目の覚醒はなるか。田中正義にとって、実りの秋にすることができるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)