「タダモノじゃない」と藤本監督も絶賛 球団幹部が語る米独立L2冠王がテスト参加の背景

ソフトバンクの秋季キャンプに参加したコートニー・ホーキンス【写真:福谷佑介】
ソフトバンクの秋季キャンプに参加したコートニー・ホーキンス【写真:福谷佑介】

松本国際部長「向こうのリーグが終わっていたので、こっちで見てみよう」

 3日から宮崎市の生目の杜運動公園でスタートしたソフトバンクの秋季キャンプ。今宮健太内野手や牧原大成内野手、栗原陵矢外野手ら主力選手も参加する中に、見慣れぬ外国人選手の姿があった。髭をたくわえた大男は、米独立リーグで今季、本塁打と打点の2冠に輝き、MVPも獲得したコートニー・ホーキンス外野手だ。

 2012年の米ドラフト1巡目(全体13位)でホワイトソックスに入団したホーキンスにメジャー経験はないが、マイナーリーグで通算104本塁打を放ち、昨季途中からは米独立リーグ「アトランティックリーグ」のレキシントン・レジェンズでプレーしていた。加入2年目となった今季は127試合に出場して473打数141安打の打率.298。48本塁打、125打点で2冠を獲得した右打ちの外野手だ。

 ソフトバンクの秋季キャンプには、テストも兼ねての参加だ。ナインに混ざってフリー打撃を行うと、前日に来日したばかりにも関わらず、軽々と柵越えを放ち、場外まで飛ばす特大アーチも。持ち前のパワーをいきなり見せつけ、藤本博史監督も「面白いと思いますよ。バッティングに研究心を感じられるバッター。独立リーグといえども、48本、125打点(の成績を)あげているんだから、タダモノじゃないよね」と高評価していた。

 ホークスの松本裕一国際部長は、ホーキンスのテスト参加の経緯を「駐米スカウト、代理人からの推薦があった。向こうのリーグが終わっていたので、こっちで見てみようと、お互いどうなのか確認のためにも来てもらった」と明かす。打者としての特徴を「パワーヒッターで柔らかさもある。すごく賢いし、自分のデータをとって分析して練習している」とみている。

 今季、巨人では同じ米独立リーグ出身のウォーカーが打率.271、23本塁打の好成績を残した。松本部長は、このウォーカーの活躍と、現在のマイナーリーグの状況が、ホーキンスのテスト参加にも少なからず影響しているという。

「3Aで獲得可能な、日本で活躍が期待できそうな選手が年々減ってきている気がしますね。去年の(新たな)労使協定で、ベテランの3Aの選手の年俸が上がってきたり、家を準備しないといけないとかもあって、どこの球団も若手にシフトしている。マイナーのチーム数も減ったことで、独立リーグに人材が流れている風潮はある」

 3Aでプレーしている20代後半から30代の選手で、NPB挑戦を望む選手が減っている印象を受けると、松本部長は言う。そこに独立リーグ出身のウォーカーが活躍を見せたことで「独立リーグにも(範囲を)広げて見ていった方が、いい選手に出会う可能性が高くなる」と、より調査の範囲を広げたことが、ホーキンスのテスト参加につながった。

 今回はテスト参加ということで、キャンプ第2クールの8日と9日にはシート打撃が予定されている。「ウチのピッチャーが投げて、メインはホーキンスに打たせる。(投手の)左右でどんなバッティングできるか見てみたいですよね。速い球に、試合形式に対してどういうふうに対応できるかっていうのがやっぱり一番重要じゃないかなと思いますね」と藤本監督。1週間の参加でどんな姿を見せてくれるのか。そしてホークスの来季の新戦力になり得るのか。注目だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

KEYWORD