ドラ5・松本晴はTJ手術経て復活した左腕 和田への“弟子入り”も志願「学べること沢山」

ソフトバンク5位指名の亜大・松本晴【写真:学校提供】
ソフトバンク5位指名の亜大・松本晴【写真:学校提供】

亜大2年春に左足首骨折、3年春にTJ手術も今春のリーグ戦で復帰

 プロの舞台で本格的な復活を遂げる。ソフトバンクは28日、福山龍太郎アマスカウトチーフと宮田善久アマスカウトが東京・武蔵野市の亜大を訪れ、ドラフト5位の左腕・松本晴(はる)投手に指名挨拶を行った。松本は亜大入学後、1年生の春からリーグ戦に登板したが、2年生の3月に左足首を骨折。3年生の4月には左肘のトミー・ジョン手術を受け、コロナ禍でリーグ戦が中止となった2年生の春から4シーズン連続で棒に振った。それでも今春復帰を遂げ、ソフトバンクからは来季の即戦力として期待されている。

 松本は5シーズンぶりの登板となった今春の東都リーグで、40~50球、連投なしの投球制限を設けながら、4試合3勝0敗、計6回2/3を投げて自責点0と活躍。全日本大学選手権でも、亜大の20年ぶりの優勝に貢献した。秋季リーグは5試合0勝2敗、防御率7.71に終わったが、「9月以降は100球を超えることができるようになりました。リハビリ中、肩や肘に負担がかからない投球フォームづくりに取り組み、以前より制球力が増し、ストレートのスピードもMAXは145キロで手術前と変わりませんが、平均球速が130キロ後半から140キロ前半に上がりました」と手応えを感じている。

「(ソフトバンク側から)来春のキャンプは1軍でスタートを切れるように頑張ってほしいと言われました。まだ3か月ある。投げるスタミナをつけて臨みたい」と意欲をみなぎらせる。福山チーフは「怪我が重なり経験値こそ少ないが、来年は手術から復帰後2年目で、ちょうどいいタイミング。球数制限を気にせずに調子を上げていってもらえると思う。良くなることは織り込み済みです」とうなずいた。

 松本自身に持ち味を聞くと、「制球力とスピードガン以上の体感速度」と明確な答えが返ってきた。福山チーフは「確かに、投球フォームの印象以上にボールが来る。トミー・ジョン手術によって球速が上がる投手は多いし、選手寿命も伸びている。息の長い選手になってほしい」と語り、プロ1年目から「できれば先発ローテで回ってほしいが、ウチの現状は左の中継ぎが手薄だけに、制球力のいい松本君なら両方いけると思う」と期待する。

 ソフトバンクでは、和田毅投手もオリオールズ時代の2012年にトミー・ジョン手術を受け、その後10年間投げ続けている。松本は「和田投手からは同じ左投手として学べることがたくさんあると思います。トミー・ジョン手術後にどんな変化があったのかなどもうかがえたらと思います」と胸を躍らせている。

「晴(はる)」という名前は、実に印象的で記憶に残りやすい。ソフトバンクには松本裕樹投手もいて、入団後はフルネームで表記されることになりそうだ。由来については「親に聞いたら、『フィーリング』と言われました」と笑う。大学時代は怪我に悩まされ続けた松本だが、コツコツと蓄えた実力を発揮し、プロでは晴天続きの野球人生を歩んでほしい。

(鷹フル編集部)