野村大樹のバスター失敗に喝「危機感を持ってほしい」 小久保2軍監督の一問一答全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】

ロドリゲスが2軍初登板で最速155キロ「戦力として認めてもらえるところに来るかも」

 ソフトバンクの2軍は26日、宮崎県内で開催中の秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」で日本ハムと戦い、2-1で勝利した。初回に正木智也外野手が先制の2ランを放ち、先発の大竹耕太郎投手は6回無失点と好投。2軍初登板となったルイス・ロドリゲス投手が2番手で1点を失ったものの、椎野新投手、マイロン・フェリックス投手がリードを守った。

 試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。

――2-1で勝利しました。
「なかなかチャンスの1本、まあ(増田)珠のところやろうね。珠のところ(7回1死一、三塁)でやっぱりゲッツーで終わって、パターン的には負ける、次の回に点を取られるパターンですよね。今日はもうピッチャー陣がよく頑張った。初登板のロドリゲスも1点は失いましたけど、150キロ中盤まで出ていたのかな。クイックとかはまだこれからやっていけばいいと思うんで、また150キロを超えるピッチャーがまだいるんやなというのを今日は見せてもらいましたけどね。初めて投げる姿を見たんで」

――ロドリゲスにも可能性を感じる。
「155キロ投げるピッチャーってそんなにいないんでね。当然そういうふうになるでしょう。当然、それだけでは抑えられはしないんですけど、投げたくても投げられないものなので。あとはやれることを、しっかり課題を克服していけば、戦力として認めてもらえるところに来るかもしれない」

――また楽しみな存在が。
「そうですね」

――大竹投手はいいピッチングでした。
「2軍が相手だったら、もうゲームは作るし、なんかちょっとフェニックスの若い子相手じゃ物足りないんじゃないかなと思うぐらい。姿を変えずにあの年齢で、この時期にまだ試合で投げて、ちゃんと自分のやるべきことをやるっていうのは立派なことだと思う。自分の中の課題は持ちながらやってるでしょうからね」

――1軍で投げるべき投手。彼が1軍に行く上で足りないころは。
「球威を求めてもね。投球術とか、打者のタイミングを外す、低めでゴロを打たせるのは特徴なんで、そのスタイルでいくしかないと思いますよ」

――今日のピッチングはまさにそういう内容。
「ファームやったらもうそんなにビッグイニングを作られることもなければ、フォアボールから崩れることもない。ファームの中では貴重なローテーションとして回ってもらっていたんでね。1回、2回は上でもチャンスはあったんですけどね。豪快さは彼には求めてはいけないところ。あの姿を変わらず続けていくことによって彼の道も開けてくるんじゃないですかね」

――正木選手が先制2ラン。
「まあライトフライみたいなもん。92メートルの球場なんて今時珍しいからね。それ以外の打席の凡退の内容はよくなかったし、あとはやっぱり野村大樹のバスターエンドランの失敗。藤本監督がそれを求めているって分かっているのに、しかも、野村勇監督が2ボールになって(サインを出して)、もう(ストライクを)取りにくるのが見え見えの球をライトフライですから。それじゃ上の監督は使いにくいですよね、そうなると」

「あそこでホームラン30本打ってるレギュラーならいいですよ。そんなサインも出ないし。でも、これから上の世界に殴り込んで、何とかこじ開けていこうかっていう選手が、あのカウントで真ん中付近のバスターエンドランを決められないようじゃ、っていうぐらい危機感を持ってほしいですね。ずっと同じことを言い続けてるんでね。させられない俺が悪いんやけど……。いろんなアイデアを出しながら、今はもうバッティングが1か所なんでね、1か所のところでランナーもつけて、エンドランの練習させたり、三盗の練習させたりですね、右打ちさせたりとかやってますけど、なかなかね」

――せめてゴロを転がさなければいけない。
「昨日の仲田の真ん中のエンドランでの空振りも含めて、自分のタイミングで振るっていうことしか多分やってきてないんやろうなと。困ったときには手で細工ってね。手で細工したらダメなんですよ。でも野球は止まってるボールじゃないんで。ゴルフは手で細工したらいかんですけど、ある程度、手は早くってのは王監督からずっと言われてたんで。出来ないからここにいるんで。やらせられない僕が悪いんですよ」

――野村勇監督はどうでしたか。
「今日あんまり動く場所なかったんでね。でも、左投手から2球牽制が来たときに『スチールで』って。決断した時って次牽制来たらどうしようってドキドキするんですよ。当たり前なんですけど。『ドキドキする』って言いながら、渡邉陸がサイン見落としてました。ビックリしますわ。ピクっとして走ってれば楽勝セーフなのに、陸が走らんかった。『こっちはドキドキして出してるのに』って。サインミスしたらムカつくやろって話はしましたけどね」

――選手にとっていい経験になる。
「それが一番感じるんです。1試合でも監督目線になるんで、なんでこんなのも決められないんやってなるんですよ。勝つためにやれって言ってるんで。だからサインが出しやすい選手である方が、作戦に絡みやすいし、チャンスあるよね、と。3割40本100打点くらいの選手だったら別ですけど、それ以外だったら、そっちの方が(打)線としては使いやすいよねというのは、みんな感じていると思いますよ。ここに3割40本打つヤツはいないんで」

「自分がそういうピースに当てはまるように、普段から取り組み、意識を変え、やってくれるのか。藤本監督という細かいものを求める監督が1軍にいらっしゃって、能力だけでやるっていうよりも打線の繋がりを意識した、個々の特徴に沿った起用をされているわけなんで。バスターエンドラン、藤本さんも『下手くそや』って、シーズン終わってからも課題だと言っていたけど、そこは本当にその通りやな、と。彼(野村大)は1軍のキャンプに行くんで、大丈夫かなと」

――仲田選手が三塁をやっていた。
「毎日バラバラです。リチャードがいなくなってサードが空いているんで。色々回しながら。アイツはどこでも出来たほうがいいんで。ユーティリティに。牧原(大)を目指していって、外野できる、サード、ショート、セカンドできる、面白いですよ」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)