地獄の秋キャンプを予告「コーチがしんどい秋に」 藤本監督の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

コーチ陣に求める厳しさ「選手から嫌われるぐらいのコーチがいいコーチ」

 ソフトバンクの1軍は25日、本拠地PayPayドームで全体練習を行った。11月3日からは宮崎で秋季キャンプを行うことになり、メンバー分けも発表に。藤本博史監督はこの秋季キャンプの見通しなどについて語った。この日の藤本監督の一問一答全文は以下の通り。

――秋季キャンプのメンバーが発表された。
「今宮と牧原(大)は連れて行かない予定だったけど、本人たちが行きたいと言うからね。1年間、あの2人は働いてくれてたので、休めるのも大事なんだけど、本人たちが『休みたくない』って言うもんで。まあ、行って2人は別メニューにしようかなと」

「そこにプラス栗原を入れてね、栗原も打つのも守るのもできると言うのでね。来年を考えたら、春にいきなり来るより、秋は慣らし程度で来ていた方がいいんじゃないかなと」

――栗原選手は3日から参加。
「うん。副キャプテンやから。まだ栗原には(副キャプテンとは)言ってないけどね(笑い)。報道で伝わってるんじゃない。自称副キャプテンやったから喜んでるやろ」

――キャンプは少数精鋭。
「今年、2年連続で優勝できなかったっていうのもあるので、当然選手はよく頑張ってくれたんやけど、何が足りないのか? そういう課題が出た1年だったので。いつも言うように投手だったら、四球を少なくする。打者だったら、先頭打者の出塁だったり、得点圏、あるいはチームバッティング、そういうところはもうちょっと確率を上げられるような練習を、秋のキャンプは何でも、思い切ってできるところもあると思うので、コーチにもそう言うことは伝えたし、王会長からもそういう話もあったので。選手に好かれるんじゃなくて、選手から嫌われるぐらいのコーチがいいコーチだと言うことで。それは確かにそうだと思うし。選手の顔色を伺って練習してもしょうがないし、その辺の厳しさって言うのは今年1年感じたところでもあるし、そういう風な秋のキャンプになればいいかなと思っています」

――練習量を増やすために人数も少なめに。
「人数というか今おるメンバーでそれくらいしかいないんじゃないの? 2軍もキャンプしますからね。A、Bで分けないからね。1軍と2軍で分けるんで。そうやって考えたらそれくらいの人数しかいないんじゃないの? 戦力外になった選手もいるし(背番号)100番台を連れて行っても、いきなり支配下っていうのもないですしね。100番台(育成選手)は極力連れて行かない。投手で2人可能性がある外国人というところは見てみたいなというのはあるから、投手陣の方でひょっとしたらロドリゲスとフェリックスは可能性はありますけど。極力、支配下で1軍はやろうというところですね」

――実戦は。
「チーム打撃が実戦になるんかな? メニュー的なところで入ってくる可能性はあるけど、量だと思うよ。質より量だと思うよ。量をやって体で覚えてもらう。例えば、右打ちっていうのは昨日も言ったけど、マシンで右打ち練習しておけって言って、アウトコースの球なので誰でも右に打てるじゃないですか。試合になったら、打てないコースに投げてくるわけですから。それを右方向にどうやったら打てるのかっていうものを練習していかないといけないし、マシン相手にインコースにボールを設定して、どうやったら右方向に打てるのか。これができ出したら、“おっつける”という意味が分かると思うんですね」

「そういうのをまずは打撃コーチあるいは守備コーチが自分が経験したことを『俺はこういう風に右方向に打っていたよ』と、そういうのを参考にして、各選手みんながそれができるわけではないから。まして柳田に右方向に打ってくれなんて言わんから。デスパイネに右方向に打ってくれなんか言わんから。それができないといけない選手がいるじゃないですか。当然、今2軍にいる選手はほとんどができないと、1軍のゲームではなかなか使えないですね。そういう風な確率を上げていかないといけないかなと。そういう練習方法にしていこうかなと。時間は考えないで、しっかりその量をこなしていくことでいいんじゃないかなと」

――普通の打撃回りではなく?
「最初のアップやって打撃回りは普通に量を打つんだったら、2か所より3か所だろうということで3か所で打つかも分からないですし、1か所は『今日は全部右方向』『今日は全部エンドラン』とか。全体練習が終わったら、今度は個別で引っ張って、当然、打撃強化選手が出てくる、守備強化選手が出てくる。そういうものに分けていって、各担当コーチが『1番しんどい秋だったな』と。選手がしんどいより、コーチがしんどかったなという秋にしてもらったらいいんじゃないのかなと思います」

――コーチがしんどくて、さらに選手から嫌われるように。
「嫌われるというか『ここまでするんか!』ってくらいにやってくれたらいいんじゃないかなと思いますね」

――夕方遅くまで。
「まあ、ご飯の時間があるからね。3勤やから、もうヘロヘロになっても1日休めるから。その中でメリハリはつけますけどね。ちょっと疲れているなと思ったら、今日は打って終わろうかとなる可能性もあるし。4勤、3勤、3勤か。10日ちょっとでしょ、練習できるのが。それ終わったらオフなんやから、しっかり身につけて、あとは実戦でそれを継続するのか、うまく行かなかったら、そこで変えるのか、というところなんでね。しっかりやってもらいます」

――侍組は合流しない。
「分からないよ。甲斐はしないな、石川もしないな。周東はしなくちゃいけないでしょ。レギュラーじゃないんだから。11日で終わったら、1週間でも来させますよ。そんな侍に行って疲れることないでしょ? 全試合フルでスタメンで出たら考えますけど。代走とかそんなんで出ただけで休めるわけない。周東も来年勝負しなくちゃいけないんだから。やっぱり1年間、周東がレギュラー取れるか取れないかっていう、そこでやっぱり全然違ってくるからね」

「彼の足は魅力だし、周東が1年間レギュラーを取ってもらわないとチームも困るわけやから。競争相手はいっぱい出てきますからね。打撃で1年間、いい時はいいけど、今年なんか終盤ずっと悪かったからね。あの悪い時期をできるだけ少なくするためにはどうしたらいいのとか、そうなると体力面も必要だし、休んでいる暇はないです。周東は呼ぶ可能性は十分にあります。決定じゃないけどね」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)