左投手を相手に使われず「本当悔しかった」 柳町達が語った心中と秋の課題

ソフトバンク・柳町達【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・柳町達【写真:藤浦一都】

「僕の課題は左ピッチャーっていうところなので」

 現在、宮崎県内で開催されている秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」に参加しているソフトバンクの柳町達外野手。今季プロ3年目でキャリア最多の107試合に出場し、準主力になりながらも、クライマックスシリーズ敗退後、束の間のオフを経て18日から課題克服に向けて戦いの場に身を置いている。

 23日にアイビースタジアムで行われた巨人戦。「5番・中堅」で出場した柳町は4回の第2打席で三遊間を破る柳町らしい左前安打を放った。8回の第4打席では右前安打を放ってマルチ安打を記録し「ちょっと(フェニックスの)入りはあまり結果が出なかったんで、ちょっと今日復調したのかなっていう感じでしたね」と表情を綻ばせた。

 今季は107試合に出場し、321打数89安打で打率.277と上々の成績を残した。栗原陵矢外野手が負傷離脱したあと、外野でその穴を埋める活躍を見せ、夏頃までは打率3割前後をキープしていた。一方で、相手の先発が左投手になると、スタメンから外れる試合も多くなった。今季は90試合でスタメン起用され、うち70試合が右投手。左投手の時は20試合しかなかった。

 右投手の時にしかスタメンに名前がない日々。「毎回そういう使われ方をしていたので本当に悔しかった」と偽らざる心中を明かす。確かに対左投手に対しての成績が良かった訳ではない。右投手の打率.287に対して、左は.239と数字は下がるが、もっと出場機会が貰えれば……との思いもきっとあるだろう。

 だからこそ、このフェニックス・リーグでの課題は明確だ。「僕の課題は左ピッチャーっていうところなので、本当に左ピッチャーへのアプローチっていうところで、色々な左投手に今回立っているんで内容のある、色々と試せるフェニックス・リーグになっているなと感じています」。この日の安打は右の赤星、菊地から打ったものだったが、しっかりと取り組むべきことに向き合っている。

 シーズン終盤は疲れや相手バッテリーからのインコース攻めなどもあって打撃の状態を落とした。捉え損ねたボールも多く「あとは速い真っ直ぐ、ストレート系のボールを捉えて、強い打球を飛ばしていくっていうことが課題なのかなと。甘い球をしっかり捉えるっていうことが重要だと思う」と、一振りで仕留める確実性も追い求めていく。

 来季はもちろんレギュラー獲りが目標になる。外野手では栗原や上林誠知外野手も怪我から復帰する見込みで、競争は熾烈を極める。「やっぱり悔しい思いがあるので、来年こそはしっかり143試合に出場してちゃんとレギュラーって言えるような成績を残したいなとは思ってます」。そのためにもフェニックス・リーグ、そして秋季キャンプで課題を克服し、“実りの秋”にする。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)