フェニックスLで始まった“1日監督” 初采配で初勝利飾った増田珠が感じたこと

ソフトバンク・増田珠【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・増田珠【写真:藤浦一都】

「今日はすごくいい経験だったと思います」

 ソフトバンクの2軍は10日から秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」の戦いをスタートさせた。初戦はアイビースタジアムで楽天と対戦し、3-1で勝利した。

 このフェニックス・リーグで小久保裕紀2軍監督はある試みをスタートさせた。それが選手たちの“監督体験”だ。「僕がヘッドコーチになって、監督(役の選手)を指名して横に置いて、サインを口頭で言わせて、僕が井出コーチにサインを出す」と語っていた通り、早速、この試合からこの計画が実施された。

 楽天戦で小久保裕紀2軍監督に代わって指揮を執ったのが増田珠内野手だ。1試合を通じて作戦等を考えて“監督初勝利”を手にした。試合後には「監督の難しさっていうのも知れたかなというか。やってみないと分からないことなんで、先を読むことの大切さだったり、決断力でうまくいったときの喜びというのを感じることができました」と振り返っていた。

 ただ単に監督体験をすることが目的ではない。小久保2軍監督は「“野球自体を覚えさせる”ということが目的」という。展開や状況を的確に把握し、試合の先を読むことの大切さを“監督業”を通して知ってもらおうとしている。それに付随して、選手個々の野球観を小久保2軍監督も知ることができる。それを今後のプレーに生かしていこうというのだ。

 1人目の“監督”を務めた増田は「監督がどういう意図を持ってサインを出しているのか、打席に立つ前からの準備とか、どういう意図かというのを理解しながら打席に立てば、自ずとやるべきことが見えてくる。そういうのも含めて今日はすごくいい経験だったと思います」と首脳陣の意図を実感したよう。この監督体験は毎試合行われ、11日の日本ハム戦(サンマリン)では渡邉陸“監督”が指揮を執る。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)