「ひょこっと出てくるもの」19年はCSのMVP 今宮健太が語るラッキーボーイの存在

守備練習で汗を流すソフトバンク・今宮健太【写真:藤浦一都】
守備練習で汗を流すソフトバンク・今宮健太【写真:藤浦一都】

「(ラッキーボーイが)出てくれば違う雰囲気でいけそうな気がする」

 ソフトバンクは6日、本拠地PayPayドームで8日から始まる「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージの西武戦に向けて全体練習を行った。この日はシートノックやシート打撃もメニューに加えられ、2日後に迫った決戦に向けて選手たちは汗を流した。練習後に今宮健太内野手が報道陣に対応し、意気込みを語った。

 まさかのV逸から4日目。選手会長を務める今宮は気持ちを切り替え、次の戦いに備えていた。

「もう終わったことなので。過去は振り返りたくないですけど、悔しい気持ちをぶつけるCSにしたい。オリックスに挑戦できるように、まずはファーストステージをしっかり頑張りたい」

 これまで何度も短期決戦を勝ち抜いてきた経験を持つ今宮。短期決戦を戦う上で重要なのはメンタル面だという。その上で「選手全員が1つになって悔しい気持ちをぶつけたい」と、気持ちの上でもチーム一丸になって戦う大切さを強調する。

 今季、今宮のレギュラーシーズンの打率は.296。5年ぶりに規定打席に到達し、同じく規定打席に到達した2017年の打率.264を大きく上回った。その要因となったのは、シーズンを通して取り組んできた「シンプルに、コンパクトに、体を振らずに」という考え方だ。

「1年間通して波が少なくやれたと思うし、ぶれることなくやった結果だと思う。やってきたことは1つだったので、それを続けることだけを意識してやってきた。打てなくなってくると『この方がいいかな』とか、打球が弱くなったと感じると体を振り出すこともあった。そうではなく自主トレやキャンプからやってきたことを継続してやってきたから波も少なくやってこれたと思う」

 その考えはCSでも貫き通す。「いろんな仕事はあると思うが、1年間やってきた自信をしっかりと持ってCSに臨みたい」と語るとともに「CSのラッキーボーイになりたいですね」と笑う。2019年のCSでは、ファイナルステージで3本の本塁打を放ってMVPに輝いた。「そういった存在が出てくれば違う雰囲気でいけそうな気がするけど、狙ってラッキーボーイになれるわけじゃない。ひょこっと出てくるもんですよ」と今宮は笑う。

 ラッキーボーイになるためにも「1試合1試合に集中してやっていくのみ。前に突き進んで勝負できたらいいなと思う」と、気持ちを昂らせていた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)