松田宣浩、会見後の囲みコメントノーカット 現役続行決断は王貞治会長も後押し

会見に臨んだソフトバンク・松田宣浩【写真:藤浦一都】
会見に臨んだソフトバンク・松田宣浩【写真:藤浦一都】

「モヤモヤしてる、いろいろ考えている、そういう選手が1軍の舞台にいてはいけない」

 ソフトバンクの松田宣浩内野手が28日、本拠地PayPayドーム内で会見を行い、今季限りでの退団と来季以降の現役続行の意向を表明した。球団から来季の戦力構想から外れていることを伝えられて、進退を熟考した末に決断した。会見後に行われた囲み取材での松田のコメント全文ノーカットは以下の通り。

――退団会見を終えての思いは。
「今日退団の会見をしていただきましたし、本当退団って、もっとサラッとされるべきものだと思っていたので。ファームの最終戦で一言言って、終わろうかなと思っていたんですけど、球団の方もやはり17年間、一生懸命やってくれたし、球団の中では『スーパー功労者』という言葉を使っていただいて、本当に僕の決断に対して後押しをするという言葉も言っていただいたので、そういった意味で本当感謝の気持ちしかないです」

「抹消になった前日に構想外ということを聞いて、藤本監督であったり、王会長とも喋って。もうその中で自分でも構想外と聞いて、ベテランの立ち位置で『チームのために』と思うのも大事かなと思っていたんですけど、中途半端に、自分の来季構想外でモヤモヤしている、そういう選手が1軍の舞台にいてはいけないなというのも自分でも思いました」

「その中で現役引退するか、退団して他球団を探すかって、本当に先ほども言いましたけど、この2択しかなかったので。2択を決めるのには相当時間がかかったんで、そういった意味ではもう本当にいろんな人が後押ししていただいたので、今回の決断に関しては、本当に間違ってなかったと思うし、たくさんの方に感謝の気持ちでいっぱいです」

――2軍で本塁打を打った時も決心つけた段階だった。
「もう僕の中では2軍に落ちたときから、構想外と聞いた時から、もう1軍に上がることはないなと思って。逆に話を聞いて、試合があったんで、もう上でホークスのユニホームを着て野球するのは最後かなと思ってやりきったので。そういった意味では、そんな感じですね。そのときにやっぱり会長であったりとか藤本さんとも話しましたし、いろいろ考える時間を与えていただいたことに関しても、やっぱ感謝しないといけないなと思ってます」

――会長や監督からどんな言葉を。
「藤本さんは本当にもう引退か退団か、この2択しかないので『とにかくまずはゆっくり自分のことを考えてくれ』ということを言っていただいて、2軍の方に合流しました。王会長に関してはですね、やはり2人で喋る機会を設けていただいて『野球を好きだったらとことんやり切りなさい』という言葉をいただいたので。『もうやめておきなさい』とかそういう言葉じゃなくて『まだまだやれるんだったら好きな野球をやりなさい』ということを言葉としていただきました」

――後輩たちが「熱男魂」と。
「柳田と中村晃と今宮の3人にはですね、本当に僕がおらんくなってから引っ張ってもらわないといけないと思うんで、3人には、呼んで練習前に話をしたし、そっから本当頑張ってくれてると思うんで。本当に最後まで頑張ってほしいなと思います」

――来年いない、というところまで伝えた。
「いや、やんわりですけどね。もう多分上がってこないっていうぐらいの感覚で言いましたし、3人もやっぱりそういう感じで感じ取ってくれて今頑張ってくれてると思うし。そんな感じですね」

――決断するにあたって他に相談した相手は。
「もう家族、妻だけですね。もう本当に引退するにしても、まだまだ好きな野球をするにしても、家族としてはついていくっていうことを言ってもらったんで、そういった意味では本当に、押してくれたというか。自分の中では本当にこの決断というのは良かったなと思うんですけど、いろいろな方がいい言葉をかけてくれたから、こういう感じになったと思います。まだまだ好きな野球があるので、今日は3軍の選手とずっと同じメニューしたんすけど、やっぱ野球が好きやし、一番元気あるんで、結果よりもやっぱりこういう野球っていうのはもっとやりたいなっていう思いがずっとあります」

――後継者は。
「後継者はみんなでいいでしょう。もう本当に1軍、2軍、抹消になるまでは1軍でやりましたし、そこからは2軍でやりましたし、昨日と一昨日は3軍でやりましたし。この期間で1軍、2軍、3軍ってなかなか。もう本当、8年ぶりに2軍落ちて、なかなか2軍、3軍の選手、スタッフの方と触れ合う機会がなかったので、最後にこうやって3週間の間で1軍、2軍、3軍の監督、コーチ、選手、スタッフみんなと会えて、野球できたっていうのがやっぱり大きかったと思う。後継者とかそういうんじゃなくて、もうみんなにこれまでやってきたことを託したいなと思います」

――城島さんがベテランがいい先輩になれ、と。
「正直な話、チームが勝つのが大事なんですけど、これまでずっとレギュラーとして出ていた立場としては、ベンチに座ってるのもキツかったというのも言えるし。でも、これって勝負の世界なので、当然のことなので。てことは、僕が出ていた時には、そういう思いをした選手がたくさんいたっていうのも今回気づいたことなので。そういった意味では年齢が上になるほど、なんかこういう感じはするけど、そういうのをまずやめて先頭に立って、そこはそこ、成績は成績と別物に考えてできたことが大きかったんじゃないかなと思います」

――最終戦ではどういった姿を。
「まだ引退じゃありませんので、そういった意味では、先ほども言いましたけど、大好きな野球をする。ホークスのユニホームを着て最後なので、しっかりいつもの自分らしいプレーをするっていうか。10月1日だから、ホークスのユニホームを着て最後だからって特に何もないんですけど、いつも通り元気を出して、今まで通り先頭で声出して、ただやる。それが自分がずっと17年間ここで教わってきたことなので、これまで教わってきたことをずっとやるだけです」

――オファーはいつまで待つ。
「こういうことになった経緯としては、構想外っていうのは結局もう消えない話ですし、そういった意味ではやっぱり、まだ野球が好き、続けたいと思いがあったからこそ、こうやって早めに、本当に球団とNPBとか選手会に動いていただいて、発表することができたので。多分、他の球団もホークスファンも自分が退団するっていうことを、多分今日初めて知る人がほとんどだと思いますので。こうやって実際、正式に発表することによって、どんどん動いてくるんじゃないかなと思う。期限としてはいつまでかな、しっかり待ちたいなと思うし、やっぱりベテランの力であったりとか、これまで経験してきたこと、日本代表であったりとか、ホークスでも優勝を何度も経験させてもらったとか、いろいろあるので、そういうのを必要としてくれる球団があれば、本当そこに飛び込んでいきたいなと思います」

――1軍は戦いが続く。後輩たちへのメッセージは。
「やっぱり一生懸命頑張ってると思うし、本当に僕も去年まではこの時期ずっと戦っていましたので、今が一番苦しいんです。勝ったら報われることってたくさんあるし、勝ってレベルが上がることもあるし、いい思いをすることもある。僕も2014年、最後、1本打ってから、本当のプロ野球選手になったということも言ってますし、やっぱ今年勝つことによってまた来年以降の野球人としてのレベル上がっていくと思うし、それはホークスもそうだと思うんで、とにかく1日も早くね、勝ってほしいなと思います」

――2軍で外野の練習をしていた。
「だからこそ、外野も練習していました。ただの球拾いではありません。そういうのもできるぞっていうのも、自分の中では見せたいなというか、やっぱりサード、今年ファーストもありましたけど、外野もできるんだぞと。2軍に行ってから、そういうのもやっていいよって言われましたんで、僕の中では、そういうのも次の準備に。その時はもう構想外と言われていましたので、何とかそういうのを準備の1つとして、ちょっとやってたっていうので。ただ球拾いじゃないです。やれるぞっていうのをこの時間で見せていました」

(鷹フル編集部)