椎間板に直接痛み止めの注射… 明石健志、現役引退の真相、限界近かった腰の状態

23日に引退会見に臨んだソフトバンク・明石健志【写真:福谷佑介】
23日に引退会見に臨んだソフトバンク・明石健志【写真:福谷佑介】

今季に入って感じたプレー面での変化「速いボールを捉えられなくなった」

 今季限りで現役引退することになったソフトバンクの明石健志内野手。23日には本拠地PayPayドームで引退会見を行い、引退を決めた理由などについて胸中を明かした。プロ入りからホークス一筋19年。野手でただ1人、ダイエー時代からチームを知るベテランがユニホームを脱ぐことになった。

 引退を決めた理由について明石は会見で「皆さんが見ての通りだと思うんですけど、やっぱりこの何年間というのは、自分自身、物足りなさを感じるシーズンが多かったですし、力不足って言ってしまえば、それまでなんですけど、それが引退を決めた理由です」と口にした。感覚、イメージと実際のプレー、結果が結びつかないことが増えていっていた。

 体は既に限界に来ていた。2018年の春季キャンプ終盤に腰を痛めると、ずっと痛みに悩まされ続けた。2019年の2月に脊椎全内視鏡ヘルニア摘出術を受けた後も、腰の状態と付き合いながらプレーを続けてきたが、今季は、腰が悲鳴をあげていたという。

 痛みで満足にプレーできない日もあり、シーズン途中からは椎間板内に直接、痛み止めの注射を打つ治療も2度、受けていた。「2回ぐらい打ったんですけど、それが初めは効いているんですけど、1か月に1回しかやっぱり打てないんで。これはキツいかも、厳しいかなって思ったのが、(引退を考えるようになった)始まり」。徐々に注射の効果が薄れてくると、痛みが出始め、プレーにも支障をきたすようになった。

 腰の状態が影響したのかは分からない。だが今季に入って、確実にプレー面における変化も感じた。「速いボールを捉えられなくなった。前は打てていたものがファールになる。前は飛んでいたよなぁとか、ちょっとポイントが遅れるなとか、身体がキレてないなとか、そういうことを感じてきて、ちょっとずつ多くなってきていた」。次第に感覚と現実のズレが多くなっていっていた。自らの引き際を考える要因になった。

 いつも飄々とプレーしている姿が印象的だった明石。それも自らのパフォーマンスを発揮するために考え、行き着いた先にあった独特のスタイルだった。「試合を楽しめないけど、楽しみたいなっていうのはあるんですよ。固くなると、いいパフォーマンスって出ないと思うんです。力を抜くっていうことをテーマにしてやっていたので。力を抜くためにどうやって、打とうかなとか、取ろうかなということをそれだけしか考えていなかったかもしれないです」。100%のパフォーマンスを発揮するには、リラックスした状態でプレーすべき。軽やかで、柔らかなプレーは、こんな信条のもとで体現されていた。

 19年間の現役生活で誇れることを「成績とかでも本当に大した成績ではありませんし、僕が誇れるっていうのは本当19年間、ホークスで野球をして、ホークスで引退できたっていうことが、一番誇れることです」と挙げた36歳のベテラン。24日のロッテ戦では現役として最後の公式戦に臨む。「ファンの皆さんには試合を楽しんでいる姿を見てほしいですね」と笑顔を浮かべた明石の最後の勇姿を目に焼き付けたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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