鷹・明石健志、現役引退は「力不足。それが理由」 本拠地で会見、19年の現役生活に別れ

引退会見に臨んだソフトバンク・明石健志【写真:福谷佑介】
引退会見に臨んだソフトバンク・明石健志【写真:福谷佑介】

「走っていても以前とは加速もキレも違った」

 ソフトバンクの明石健志内野手が23日、本拠地PayPayドームで引退会見を行った。「ここ最近は物足りないシーズンが続いていて、力不足といえばそれまでなんですけど、それが理由です」と心中を明かした。

 99試合に出場した2019年を境に、出場機会は減少。2020年は63試合、2021年は57試合の出場にとどまり、ファーム暮らしが続くように。若手の成長、台頭もあって、今季は通算1000試合出場を達成したものの、ここまで21試合の出場に終わっていた。

 明石自身もパフォーマンスの低下を感じていたと明かし「走攻守で物足りなさを感じてはいたんですけど、打撃で言えば150キロのボールが弾き返せなくなってきたなと感じていた。走っていても以前とは加速もキレも違って、それが大きな要因ですね」と、現役引退を決めた理由を語った。

 まだダイエー時代だった2004年に入団した明石は類い稀な身体能力の高さを武器にルーキーイヤーから1軍で出場。2年目以降、故障に悩まされたものの、2012年には川崎宗則の移籍に伴い、主に遊撃手としてキャリア最多の135試合に出場。同年7月の日本ハム戦で記録した1打席19球は今もNPB最多記録になっている。

 その後も故障と戦いながら、内野のユーティリティとして、チームに欠かせない存在としてプレー。近年は持病となっていた腰痛とも戦いながら、2019年4月25日のオリックス戦で自身初のサヨナラ本塁打を放ち、バック宙でホームインしてファンを熱狂させた。

 19年間、ホークス一筋で戦い続けた明石は「成績とかでも大した成績ではありませんし、19年間ホークスで野球をして、ホークスで引退できたことが1番誇れること」と胸を張る。24日のロッテ戦の試合後には引退セレモニーも実施される。現役生活を支えた家族に見守られながら、時に瞳を潤ませながらの会見だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)