「ビックリしたわ」と藤本監督も呆れ顔 教訓の1敗に…鷹の敗因になった攻守のミス

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

初回に走塁死した野村勇には「進塁打を打って欲しいけど」

■ロッテ 3ー0 ソフトバンク(31日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは8月31日、本拠地PayPayドームでロッテと戦い、0-3で敗れて2連敗となった。先発の石川柊太投手が4回につかまって2点を失うと、打線はロッテ投手陣の前にゼロ行進。初回、5回と走塁でミスも出て、今季14度目の零封負けとなった。

 敗因となったのは攻守にわたって出たミスだった。初回、今宮が左前安打で出塁し、盗塁を決めたが、続く野村勇の遊ゴロで二、三塁間で挟殺。ここで挟殺プレーの間に二塁を狙った野村勇もアウトとなり、痛恨の併殺に。藤本博史監督も「進塁打打って欲しいけどね、まだ1年生だしね。もうちょっとチームバッティングというのが上手くならないと」と顔をしかめた。

 さらに5回、先頭のガルビスが中前安打を放ったものの、続く増田の初球で盗塁死。サインを間違えた可能性はあるものの、ノーサインでスタートを切ったため、指揮官もあ然。「勝手に走ったですね。エンドランでもなんでもないですよ。勝手に行っちゃいましたね。ビックリしましたわ。2点差で『さあ行こう』というところでね」と呆れていた。

石川ら投手陣は8、9番に3四球などで4度出塁許す

 ロッテと同じ9安打を放ちながら、チグハグな攻撃で掴みかけた流れを手放すと、先発の石川もなかなか流れを手繰り寄せられなかった。3回先頭の8番・松川に四球を与えてピンチを招くと、4回も2安打に四球と死球が絡んで2失点。この回は9番の小川にも四球を与えた。

 右腕は5回で降板するまでに6四死球を与えた。リリーフ陣も松川に四球と遊撃内野安打で出塁を許し、8、9番の下位2人に4度出塁され、小川には2度犠打で得点圏に走者を進められた。藤本監督も「8番、9番のところに無駄なフォアボールはいらない」と言う。

 指揮官は「ロッテ打線で怖いのは荻野。1番チャンスで嫌だなというバッターで、高部も嫌。1番、2番っていうところは前にランナーを溜めないようにっていうところなんですけど、彼らがランナー出てもね、なんとか初回でも抑えられたし、8番、9番を塁に出すっていうのが1つの反省点かなという感じはしますね」とも。8、9番の出塁は失点には繋がっていないものの、下位打線を出塁させたことがリズムの悪さに繋がったのは否めない。

 勝負の終盤戦で痛い2連敗。首位・西武も敗れており、勝てば、1日で首位奪還となっていただけに悔しい敗戦だ。大混戦となっているパ・リーグ。熾烈な首位争いから抜け出すためには、この日のような“ミス”は禁物。残り27試合の教訓にしなければいけない1敗になった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)