小久保2軍監督も「クソ真面目」 また満塁弾のガルビスが貫いていた“真摯な姿勢”

ソフトバンクのフレディ・ガルビス【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのフレディ・ガルビス【写真:藤浦一都】

23日の楽天戦で今季2本目となるグランドスラムを放ったガルビス

 23日に楽天生命パークで行われた楽天戦で、今季最多タイの20安打で15得点を奪って大勝したソフトバンク。主砲の柳田悠岐外野手や牧原大成内野手、周東佑京内野手、柳町達外野手ら主力を新型コロナウイルスの影響で欠いたにもかかわらず、先発全員安打の大爆発だった。

 7点リードの6回に、トドメを刺す満塁弾を放ったのがフレディ・ガルビス内野手。先頭のグラシアルが二塁打、デスパイネが死球、増田が四球を選んで満塁となると、146キロのストレートを捉えて右翼スタンドへ。開幕戦で放った満塁本塁打以来の一発となる2号本塁打はまたもグランドスラムになった。

 メジャー通算1102試合出場、109本塁打を放ち、バリバリのメジャーリーガーだったガルビス。今季鳴り物入りでソフトバンクに加入した。当然、主力として期待されていたものの、開幕戦の満塁本塁打以降は打撃不振に陥り、5月2日に出場選手登録を抹消。6月7日に再昇格したものの、わずか1週間ほどで再び2軍へ。その後はファーム暮らしが続いた。

 メジャー実績十分の助っ人にとっては、屈辱とも言えるファーム暮らしの日々。人によってはモチベーションを失ってしまいそうなものだが、ガルビスは違った。「自分が日本の野球に適用していく1つのプロセスかなと思っていましたし、メジャーリーグでも、最初のときは経験を積んで、やっとメジャーに上がれた」。現状を受け止め、黙々と練習に励み、若鷹たちと一緒に試合に出た。

 練習もきっちりこなし、グラウンド整備のトンボがけも、若手やスタッフたちと一緒に嫌な顔ひとつせずに行っていた。8月に入ってからの2軍の試合前は、集合前に室内練習場に出てきて、アーリーワークで黙々とバットを振るのが習慣だった。小久保裕紀2軍監督が「クソがつくほど真面目」と評する姿勢は、ファーム暮らしが長くなっても変わらなかった。

「こっちの投手の攻め方を学ぶようにしていました。日本とアメリカでは違いも大きいので、そこを見つけていくこと、その違いに対して自分が合わせていけるようにやってきました」。小久保2軍監督や打撃コーチにも事あるごとにアドバイスをあおぎ、日本の投手の特徴を掴むように努めていた。

 松山秀明2軍内野守備走塁コーチからグラブの小ささを指摘されると、福岡市内の野球用品店に自ら足を運んで、少し大きめのグラブを購入してきたという逸話もあるガルビス。醤油ラーメンや寿司、刺身といった日本食を愛する一面も。常に真摯な愛すべき助っ人の活躍を願いたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)