柳田悠岐の4安打大暴れを呼んだ“ダイスケくん” 謎のラッキーボーイの正体は?

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

藤本監督が感じた復調気配「ほぼ自分のスイングができていた」

 ソフトバンクは19日、本拠地・PayPayドームでの日本ハム戦に7-2で快勝した。投の主役が6回途中1安打無失点だった板東湧梧投手なら、打の主役は柳田悠岐外野手だ。3回に放った先制の2点適時打を含む4打数4安打の大暴れ。試合後に上がったお立ち台では「ダイスケが見に来ていたので絶対に打とうと思っていました」と、謎の名前を出してスタンドを騒つかせた。果たして、この“ダイスケくん”とは一体何者なのか。

 2回の第1打席でラッキーな三塁への内野安打で出塁すると、第2打席は「手応えはなかったけど、あの打席はいい打席だったと思います」という先制の中前適時打。6回の第3打席では追加点に繋がる右翼線への二塁打。8回の第4打席でも得点のお膳立てとなる右前安打を放ち、7月24日のオリックス戦以来、今季2度目となる4安打の大暴れ。3安打の猛打賞自体も同日以来だ。

 1か月近く固め打ちができず、ヒーローインタビューで自らの打撃の状態について問われると「酷いです!」と即答。ただ「バッティングは難しすぎてわからないけど、それでも毎日試合はあるので頑張っています」と懸命に試行錯誤を繰り返す。西武との3連戦では軸足に体重を乗せるように打撃フォームを修正。この日、その成果が少しばかり発揮されたようだ。

 藤本博史監督も主砲の打撃の変化を感じ取る。「改善されてきてますよね。だいぶ軸で回転できるようになってきてるかなっていうのは感じます。西武戦の2戦目(17日)あたりぐらいから、だいぶボールを引き付けられるようになってきたかなというところ。今日はもうほぼ、しっかり自分のスイングができていたと思う。明日から楽しみになってきました」という。

 さて、肝心の“ダイスケ君”だ。柳田自身、お立ち台で故郷・広島の少年時代からの友人であることを語っていたが、その後、報道陣にもう少し詳細を語った。「家も近所で、少年野球の頃から敵だったんですけど、大学(広島経済大学)では同じチームでやりました」という間柄。親友が“ラッキーボーイ”となり「また来てほしいっすね」とラブコールを送った。

 さらに、8月に入って打席の登場曲の1つを映画「ONE PIECE FILM RED」の主題歌「新時代」に変えて、気分も一新。「週刊少年ジャンプ」が今でも愛読誌の漫画好きで、同映画も既に鑑賞済み。「今シーズン唯一の楽しかったことです。あれを超えるのは優勝しかない」と言う。

 身体は万全には程遠い。左肩をはじめ、痛みを抱えながらのプレーが続く。藤本監督も「柳田は満身創痍でやっている」と語るものの、当の本人は「痛いですけど、全然大丈夫です。しんどいですけど頑張るだけです」。キャプテンとして残りわずかとなった2022年シーズンを最後まで駆け抜けるつもりだ。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)