鷹・千賀滉大が語った甲斐拓也と海野隆司 後輩との初コンビは「新鮮でした」

ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

7回を投げて1安打2失点「まず今日は勝たないと駄目なんだろうなと」

■ソフトバンク 4ー2 オリックス(13日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは13日、本拠地・PayPayドームでオリックスと戦い、4-2で勝利した。初回に野村大樹内野手が先制の2点適時打を放つと、リチャード内野手が2打席連発。復帰登板となった千賀滉大投手は6回までパーフェクトピッチングを展開し、7回1安打2失点の好投で7勝目を挙げた。

「エースとして今のチーム事情の中で、しっかりと先に点をやらないピッチングをしてくれたと思います」。試合後の藤本博史監督も手放しで称賛したエースの投球。6回までは1人の走者も許さない完璧なピッチングでオリックス打線をねじ伏せた。7回先頭の福田の三ゴロを周東が溢して完全試合が、続く宗の右翼線への適時二塁打でノーヒットが途切れたものの、7回までわずか1安打で2失点。勝利に繋がる投球だった。

 6月24日の日本ハム戦で右肘の張りを訴えて出場選手登録を抹消された。そこから中18日空いた久々の実戦マウンドだった。決して感覚が良かった訳ではない。千賀自身も「難しかったですね、正直」と振り返る。チームは5連敗中で期待されていたのは“連敗ストッパー”の役割。「自分のやるべきピッチングよりも、まず今日は勝たないと駄目なんだろうなと思いながらマウンドにいた」。勝つことだけに力を注ぎ、腕を振った。

「海ちゃんも拓也に影響されながら、海ちゃんなりの考えもあると思う」

 この日、マスクを被ったのは海野隆司捕手だった。新型コロナウイルスの陽性判定のため、正捕手の甲斐拓也捕手が離脱中。同期入団でずっとコンビを組んできた千賀にとって、2016年以来となる甲斐以外と組むバッテリーだった。初めてコンビを組む後輩に対して「海ちゃんの好きにやっていいよ」と“主導権”を任せるようにした。

「僕のリズムだったり、考え方っていうのはやっぱり拓也が結構入っていると思いますし、海ちゃんも拓也に影響されながら、海ちゃんなりの考えもあると思うので。とりあえずはそこに頼りながら行こうかなと思って。まず僕を出す前に、海ちゃんのやりたいように、ほぼ首振らずに行こうかなと思った」

 長い間コンビを組み、染み付いている甲斐とのリズムや考え方。海野も自主トレで甲斐に師事するなど、その思考に触れ、学んできている。ただ、それを求めてしまえば、海野自身の考え、良さが消えてしまいかねない。だから、千賀は何かを求めることなく、海野にリードを任せることにした。

「どっちも良い悪いがありますし、どっちも特徴がある」

 千賀自身、海野と初めて7回までコンビを組んだ。「やっぱり拓也のミーティングをしっかり聞いていると思いますし、1軍に上がってきて何もわからない状態で、その時はもう拓也が一番上で、いろいろミーティングだったりっていうのをスコアラーさんと話すときに、拓也の考え方、こういう考えがあるんだっていうのはやっぱり影響はあると思う」。投げる中で甲斐と海野に通じるものを感じたという。

 その一方で「あんまり僕らがああだこうだ言っちゃうと、海ちゃんの考え方っていうのが合ってるのかっていうのがわからないと思うので、とりあえず自分より海ちゃんを信じていきました」とも考えた。2人に通じるものがありながら、違いも「やっぱりありました」。6年ぶりだった甲斐以外とのバッテリーに「面白いな、と。新鮮でした」と振り返った。

 苦しみながらも首位を死守しているソフトバンクだが、ファンの間では正捕手の甲斐に対して厳しい声もある。2人について問われた千賀は「とりあえずはどっちも打てって話なんで。それは共通して言えること」と笑わせつつ「捕手って本当に能力は人それぞれだと思います。どっちも良い悪いがありますし、どっちも特徴がある」と語っていた。

 久々の実戦復帰登板、かつ初めてコンビを組む後輩とのバッテリーで見せた好投。これぞエース。投球内容だけではない、さまざまなところに、千賀という投手の凄みが詰まっていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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