最速141キロ記録の高橋礼&リチャードを評価 鷹・小久保2軍監督の一問一答全文

ソフトバンク・リチャード【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・リチャード【写真:藤浦一都】

急遽先発の高橋礼は4回4失点も「今日の球なら十分と感じました」

 ソフトバンクの2軍は9日、タマスタ筑後でのウエスタン・リーグ阪神戦に3-4で敗れた。武田翔太投手の1軍昇格に伴い急遽先発した高橋礼投手が最速141キロをマークするも、4回途中4失点。野手ではリチャード内野手、増田珠内野手に適時打が出たものの、反撃も及ばなかった。

 試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

――相手は藤浪投手でしたが?
「今日はオレの指示で、もうやる前から『1つ工夫を加えろ』って話をしていた。みんなセーフティ(バント)ばかりしてたけど、それは指示があったから。普通に(打席に)立っても勝てないわけだから、相手が嫌がることは何ができるか。結果的には1点差で、藤浪に対しても117球ぐらい投げさせながら、あと1本出てれば、同点。完敗という感じではなかったんで、今日みたいな感じならまだ、なんかやってやりたい、やってやろうっていうのは伝わってきますね」

――増田選手が4回にタイムリー。
「いいところで打ちましたね。あと(6回の)フォアボールもいいところで選んだし。(8回も)無死一、二塁で2つバント失敗して、今日は3回チャンスやろうと思ったんで、3つ目で決めましたけど。リチャードが二塁ということで、良いバントじゃないとフォースプレーですから、っていう中で3球かかりましたけど、結果的に決めた。必死だったでしょうね、あいつにとってはね」

――昨日はホームランも打っていて状態がいい?
「はい。昨日も同じ話をしましたけど、上でどこを守るのって話になるので、打ち続けるしかないんじゃないですか」

――(育成の)川村選手も6試合中5試合でヒット。
「なんか状態がいいんで、今日は3番にバッティングコーチがしていましたけど。それが初回にハマりましたよね。あとリチャードが、今までもうファーストストライクがほぼファウルか空振りで、今日は1球でセンターフライ(犠飛)。(6回は)藤浪の初球をまた打って左中間(へ二塁打)。あの姿を続ければ、率は勝手に上がってくるのに。ファームで1割8分しか打っていない4番バッターで、何に原因あるかと言ったら、カウント球の甘いのをファウルにばっかりしてるわけなんで。『追い込まれる前に打ってくれ』っていう話をずっとしている」

――これで積極性も出てくる。
「積極性はあるんよ。あるんやけど、前に飛ばないだけなので。どういうボールの待ち方をしているのかな、っていう。だから今日は2打席目はスライダーを三振だったけど、あれは真っ直ぐを狙っているんだからしょうがない。そのかわり、次の打席でツーベースを打ったら、もう今日としてはプラスの日なわけでしょ。全打席きっちり打とうとか思い過ぎている気もする」

「何かこう自分の打席の狙いが見えない子なんで。追い込まれたら、ほぼ100%に近いぐらい三振する子なんだから『追い込まれる前に打てよ』と、そういう風に思う。追い込まれてもツーストライクアプローチができる子なら何も言わないですけどね。そういう点では今日みたいに、2打席目を引きずらずに3打席目の初球を振れば、またスライダーかなというところで真っ直ぐを振れたっていうので『これだったら2打数1安打1打点やん』って思ってやってくれたらいいのになと思います」

“決まり事”の20分間のウオーミングアップ「それすらできない奴が事をなせるか、という話」

――練習前の20分間のアップをキッチリやっていた。
「それは春からの約束事なんで。夏場にきてちょっとダレてきたなと思ったので。トレーニングコーチとコーチに任せるのも悪いんで、僕が言わないと締まらないでしょうから。1日の中で拘束されている決まりごとはたった20分しかないので、それすらできない奴が事をなせるか、という話。僕は“なせない”と思う。そのぐらい決めたことぐらいやりなさいよって」

「誰もができることなんで。3割打てというのは無理ですけど、できないことじゃなくて、マーカーからマーカーまで走る、フライングをしない、元気を出す、これはどんな人でも、100人おったら100人が意識でできること。その20分以外は自由なわけです。これからも自由なわけで強制的にさせることもないので、20分間の時ぐらいはちゃんとやりなさいって話をしてました」

――急遽先発だった高橋礼投手は。
「今日の4回はちょっと可哀想で……。あれは評価の対象には入らない。元々、中継ぎの調整しかしていなくて、50球近く投げさせたこっちに責任がある。今ちょっとピッチャーがいないんですよ。武田が今日先発だったんですけど、9回試合成立ないし延長10回させるために、ちょっと引っ張らないとしょうがなかったんで、ちょっとアイツには悪いことをしました。でも、それ以外の中継ぎもしっかり頑張って、締まったゲームになったのは中継ぎの踏ん張りだったと思います」

――高橋礼投手は最速141キロ。
「真っ直ぐは多分僕が見た中で今年1番良かった。本人と話しましたけど、本人も手応えあるっていう感じで、非常にいいときの礼の真っ直ぐに戻ってきた印象がありますね」

――中継ぎの推薦候補の1人になる?
「武田が上がったので分からないですけど、とりあえず今日の球なら十分という風に感じました」

――緒方選手は昨日から2軍に参加。盗塁も決めて持ち味を出している。
「あのタイムでは彼は走れて当たり前。あれでアウトになっているようじゃ、たぶん支配下にはなれない。あのぐらい当たり前だよって話をしまして、褒めてはないですよ。藤浪の(クイックの)タイムとキャッチャーのスローイングを考えたとき、九鬼でも走って、川村でも走ってるのに、緒方が走れなかったら、それはセールスポイントとは言えないですよね。当たり前です」

――7月いっぱいの支配下登録期限に向けて必死。
「当然(必死さを)持って当たり前じゃないすか。可能性のある限り、やっぱりそこを諦めずにやる姿、姿勢は基本中の基本だと思うんで。諦める人はいくらでも次の人生を歩んでくれたらいいので」

――(8回の一打同点の場面で三ゴロに倒れた)黒瀬選手も相当悔しがっていた。
「代打の後の2打席目で、同点のチャンスだったんで、結構悔しがっていましたね。ただ、気持ちは伝わってきます」

――甲斐選手、デスパイネ選手は明日は試合に?
「明日から出る予定です。最初からフルってわけにはいかないでしょうけど、明日は出ますよ」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)