早出特打を行った柳田の不調の原因はどこに? 鷹・藤本監督の試合前の一問一答全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

前日2安打の甲斐は「渡邉陸の存在で、お尻に火がついたんじゃないかな」

■ソフトバンク ー ヤクルト(交流戦・10日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは10日、本拠地PayPayドームでヤクルトと対戦する。交流戦優勝がかかる一戦に向けて、藤本博史監督はリリーフ陣の3連投解禁を明言。悩める主砲の柳田悠岐外野手の状態などについても語った。

 試合前の藤本博史監督の一問一答は以下の通り。

――負けると相手に(優勝が)渡ってしまう。
「やる限りは交流戦で、一応メインはペナントレースなんですけど、交流戦でもここまでいい位置にいるんだから3つ勝って優勝したいというのは当然ありますけど、しっかりね、1人1人がそういう気持ちで戦ってくれたらいいんじゃないかなと思います」

――先発ピッチャーが奮闘している。
「よく頑張ってくれてますよね。今日からの3試合はね、3試合やったら4日間空くんでね、2連投って今まで言ってきましたけど、この3試合は3連投ありで行きます。ピッチングコーチからいけますっていうことなんで。全員が3連投するわけじゃないからね。誰かが3連投になる可能性があるというだけでね。4日間試合ないんで、十分に後半にそれでいけますと。今日から3日間は後ろの投手は3連投ありで考えてます」

――昨日のレイが1人で投げてくれた。
「一番大きいですよね。ありがたいですよね」

――リードもそうですけど、甲斐選手のバッティングも。
「こう屈まないようになったでしょう。綺麗に立つようになったし、今までギッコンバッコンしていたのが、だいぶなくなってきた。バットコントロールしやすくなっているはず。本人もそう言っていたけど、結果は、あとはもう本人のタイミングだから。ある意味、リードが良くなったら、バッティングも良くなるということですよ。逆にバッティングが良くなったら、リードも良くなるということ。昨日も良くリードしてくれているとと思いますよ」

――気持ち乗ってくる?
「そういうのもね、あるでしょうしね。もう一つは渡邉陸の存在で、お尻に火がついたんじゃないかなというのも当然あります。まだ老ける年じゃないから、30歳からまだまだこれからの選手で1番いい時期なので。やっぱりキャッチャーだけでっていうより、やっぱ打つ方ももっと興味持ってね、毎日毎日打ってますよ、終わってから遅くまで。中で。そこは見て見ぬふりをしているけど、あんまりそこまで引っ付いたら本人やりたいことができない。変な方法にいっとったら、また注意すればいいし。それが今いい方向に行くんじゃないかなと」

「いいときは軸足に乗ってから距離を取るんだけど、今は軸足に乗らずにそのままボールに近づいていってる」

――柳田も早出していた。
「一応バッティングコーチにね、主力だからと言って甘やかさないで状態が悪いんだったら、状態を上げてくれと。上げるためにどうしたらいいか、というと、これはもう練習しかないんだよね。今日ちょっとさっき村上がきて、ステップする足を遊びながら打たせましたとか、いろいろね、プッシュアウトするように打たせましたとか言ってたけど、それで何かヒントがあれば」

「若い選手じゃないんだから、三森とかレギュラー取ろうとしてる選手じゃないんでね。もうレギュラー取った選手なんで、そういうのは自分で。ここまで悪いっていうのは、おそらく僕がコーチしているときには、1軍に上がった頃の状態くらいじゃないですか。インコース攻めされて、もう全く打てない、開幕スタメンから9試合目で外された、そういうぐらいの状態じゃないかな。どうしたらいいかなという時期があったんすけど、初めてじゃないからね」

「やっぱりチャートを見てもね、1番厳しい攻めをされてますよ。そんなに打てるコースはなかなかないですよね。それがやっぱり、チームの主力、もう核の選手が攻められること。生命を与えることやからね、うちもバッテリーとしては、今日だったら塩見、村上が要警戒というところでいってくれということをお願いするんだから、当然相手も柳田というところにはそういう風に来るんじゃないかな。誰だったかな、阪神戦でも柳田に対してはやっぱりまっすぐでもスピード上がってくるもんね。やっぱそれだけ相手も怖いってことですよ」

――昨日もケージの裏で話していた。
「ヒットを狙いにいくなよ、と。やっぱり今はヒットを欲しがって、やっぱりボールに近づいていってる。だから自分の距離が取れていない。軸足にも乗っていない。やっぱりいいときは軸足に乗ってから距離を取るんだけど、今は軸足に乗らずにそのままボールに近づいていってる」

「僕も解説やっている時だけど、松中が3冠王を取った時に、CSだったかな、すごく打てない時期があって、もう本当に地面に根が生えているようですねっていう言い方をしていたんですけど、それが悪いときだったらやっぱり打ちたい打ちたいボールに近づいていく。ドシってしていたのが、どんどん近づいていく小さくなる。だからそこはね、もう結果が出れば、どんどんまた大きく戻ってくるんだろうけど、今は結果欲しい、結果欲しいと小さくなっている」

「もっと大きく振った方がっていうのは昨日も話あった。根を張って打てばいいんですよ。状態がいいときって、打てる球と打てない球はっきりしてます、神様が打たしてくれましたっていろいろ言っていましたよね。打てるところにボールが来ましたって、それでいいと思うんですよ。それくらい大胆にやった方がいいんじゃないかなとは思います」

今宮は欠場「ちょっと捻挫っぽい。重症じゃないですよ」

――練習しかない。
「型を戻すにしても練習しかないからね。打って何かヒントがあるとか、始動を早めにして、大きくもう1本足ぐらいで打って何かヒントがあるとか、ヒントで案外元に戻りやすい。例えば1番、2番打ってるレギュラーの足の速い選手がね、状態悪い、30打席ノーヒットとか、なんかで見たことあるけど、1本の内野安打で変わるんですよ。そういうもんだと思いますよ」

「シーズンはまだ半分終わってないんだから、やっぱりこの1年間の中で、柳田は絶対にウチのチームでは必要で核になる選手なんで。今、柳田がこの悪い中ね、やっぱり負け越してないんだろうから、これは良しと考えなくちゃいけない。その分、周りのジョーカー的な存在の牧原(大)とか、あるいは周東とか、この辺がよく頑張ってくれるんじゃないかなと思います」

――ガルビスは。
「今日使いますよ。もうちょっと結果欲しいですよね。状態良いということでこっち来ているんでね、打ってこっちを考えさせてもらいたい。今の現状では7番、8番ぐらいのところかな、という状況。今日は7番かな。三森が8番で昨日1本出ているんで、あれで気持ち良くなってくれたらいいんですけどね。明日、明後日と左ですからね」

――デスパイネの4番は監督のアイデア。
「デスパがDHで出られるんだったら、4番にもはめられるなということ。僕は3番、4番は動かさないと言ってましたけどね。4番を変えるんだったらデスパイネしかいない。例えば柳田を4番にするとか、晃を4番にするとか、そういうのはもう100%ない。人がいなくなったら別ですよ」

――今宮が不在。
「一昨日の試合で、ショートの深いのファーストに投げたでしょ。あれで、ちょっと捻挫っぽい。重症じゃないですよ。今日使って、残り3試合なのに、無理して次の楽天戦で痛みがありますと言われたら困るんで。本人は行きたいという気持ちはあるんですけどね、こっちが止めさせてもらいます。だからベンチから外します。いたら使いたくなるからね。ショートは牧原(大)ですね」

――ヤクルトは交流戦19本塁打。
「一発ありますからね。要警戒ですね。うちエースですからね。そんなにやられることないと思います。いつも言うてるけど先に先制点を取る。5回までにこっちがリードしている展開を作りたいというのがまずある。そうなったら相手も勝ちゲームのピッチャーは出てこないからね。そういうふうな展開にしていきたいなっていうのはあります」

――小川投手は右も左も関係ない。
「右、左はあまり関係ない。明日もそうじゃないかな。明日は左の方が打ってる。明後日の高橋は左はちょっと厳しい。あれはいいピッチャー。野村勇がオープン戦でホームラン打ってますよね。野村勇は合うかもしれないね。野村勇も使いたいんですよ。でも、現状ね飛び抜けたレギュラーというのがなかなかね、サードのポジションでもガルビスも絶対的ではないですからね。1軍では結果出てないからですね。その辺はちょっと考えながら使っていかなくちゃいけないのかなと」

――コミュニケーションは。
「取ってますよ。もう外すときはこっちは気を使いますよ。後から頼むよとかね。逆に今宮みたいに捻挫とかだったら、こっちから無理やり外すよっていう形で、楽天戦から頑張ってくれとかでいい。打てないから外す時が一番ね、前回の三森なんかも、いいリフレッシュやって言って、次の日1番で全く打たなかったからね。三森は1番で使いたいんですよね。アイツが今の壁を乗り越えないと、今8番だけど、もう1回、1番に戻るという気持ちで状態を上げてもらわないと、壁を乗り越えられない」

「いろいろ考えるんですよ。休ませてリフレッシュするんだったら、2軍で試合に出ていた方がいいんじゃないかとかね。そういうのもいろいろ考えるけど、やっぱりここまで引っ張ってくれた1番で、今の位置に居るのも三森のおかげと言ってもおかしくなわけなんで。何とかね、もう1回元に戻してやりたい」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)