自ら野球用品店にグラブを買いに… 鷹ガルビスが2軍でも見せていた“真面目さ”

ソフトバンクのガルビス(写真:藤浦一都)
ソフトバンクのガルビス(写真:藤浦一都)

若手と一緒にグラウンド整備をかけ、質問には身振り手振りを交えて答えていた

 7日に1軍再昇格を果たし、即スタメンで起用されたソフトバンクのフレディ・ガルビス内野手。今季加入したメジャー通算109本塁打の元メジャーリーガーは、不振のため5月2日に出場選手登録を抹消されていた。ただ、2軍降格となっても、真摯に野球に取り組む姿勢は変わらなかった。

「春先より暖かくなってきて、振るスピードも上がってきた」と語るのは、吉本亮2軍打撃コーチだ。ファームにいる間に、構えている際にバットでリズムを取るようになったことで、タイミングが合うようになったという。メジャーで実績のあるガルビスに対しては、コーチ陣も技術的なアドバイスを送っていたわけではない。敬意があるからこそ、ガルビスが本領を発揮できる環境づくりを意識した。

 ただ、当のガルビス自身は偉ぶるような態度をとることは一切なかった。結果に一喜一憂することもなく、若手選手たちと共にトンボ掛けをしてグラウンドを整備したり、朝の集合前に自主的に打撃練習を行ったり、とやるべきことに精力的に取り組んでいた。

 元メジャーリーガーらしからぬ出来事もあった。ある日、松山秀明2軍内野守備走塁コーチが、サードを守るガルビスのグラブが少し小さいのではないかと指摘した。すると、ガルビスはすぐに福岡市内の野球用品店に足を運び、新しいグラブを買ってきたという。吉本コーチが「何事にも柔軟に応じてくれるナイスガイ」と話せば、小久保2軍監督も「クソ真面目」と笑うほどの人格者なのだ。

 守備練習中に若手が質問をすると、日本語を話せないガルビスは必死に身振り手振りを交え、通訳の力も借りて、丁寧に質問に答えてくれたという。気さくな人柄でファームでもチームに溶け込んでいた。1軍に復帰した7日の阪神戦では、第4打席で安打も出た。「元々飛ばすというよりコンタクトしていくバッター。グラシアルともデスパイネともタイプは違う」と吉本コーチ。1軍に帰ってきたガルビスが、苦しむチームの起爆剤になることを期待したい。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)