上林誠知のフェンス激突キャッチを生んだ“読み” チームを救ったスーパープレー

フェンスに激突しながらも打球をキャッチしたソフトバンク・上林誠知【画像:パーソル パ・リーグTV】
フェンスに激突しながらも打球をキャッチしたソフトバンク・上林誠知【画像:パーソル パ・リーグTV】

左腕・齋藤からの安打に「途中の左を打っておかないと」

 さらに7回には、三森大貴内野手から四球を挟んで連打が続く中で左腕・斎藤から右前へのクリーンヒットで2打点。「途中の左を打っておかないと、と思って気合は入っていました。1、2球目のスライダーが思ったより緩かった(2球とも空振り)ので、ちょっとタイミングを遅らせて。打席の中で対応ができました」と胸を張った。

 相手の先発が左腕の場合はスタメンを外されることが多い上林にとって、この1本は大きな意味を持つ。「4年前は左投手から4試合連続でホームランを打っているし、その時の打撃コーチが藤本さんでした。そういうのも見ているので、僕は左が苦手という認識は監督にはないと思いますが、現状こうなので。試合の中で打っていくしかないですね」。先発の左右に関わらずスタメンの座を掴むには、結果で示すしかなかった。

 5月5日は「こどもの日」。上林はこどもの日に強い「Mr.こどもの日」でもある。2017年にはソロを放って勝利に貢献。昨年も引き分けに終わったものの、2ランを含む3安打4打点。土壇場の9回に同点打を放って和田毅投手の負けを消した。そして、今年は美技とマルチ安打。「別に意識はないですけど……。工藤(公康前監督)さんの誕生日ですよね。今日もスコアボードがひらがなで『こどもの日』だなと。それを見てスイッチが入ったのかどうかわからないですけどね」と笑っていた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)