上沢直之が絶賛「えげつないものを」 “成人式”不参加で自主トレ…育成藤原が得た変化

藤原大翔(左)と上沢直之【写真:川村虎大】
藤原大翔(左)と上沢直之【写真:川村虎大】

藤原は上沢の自主トレに志願の参加

 暖かい日差しの中、熱のこもったボールがミットを叩く音が響いた。「いつか絶対出てきますよ」。ブルペンを後ろから視察していた上沢直之投手が、そう呟いた。視線の先には20歳を迎えたばかりの育成右腕、藤原大翔投手の姿があった。

 1通のメールが道を切り開いた。3年目を迎える2026年シーズンに向け、藤原は沖縄・宮古島で行われている上沢の自主トレに参加している。面識もなかった12歳年上の先輩に自ら直訴したのは、変化球という明確な課題があったからだった。

 自主トレが公開された15日、藤原は初めて捕手が座った状態で投げ込んだ。「上沢さんは知識量がすごいですね。聞いたら何でも返ってくるんです」。たった1週間でも実感した変化。そして、上沢も驚いた“素質”があった――。

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上沢投手が「えげつない」と唸った藤原投手の真の才能
課題だったカーブが劇的改善! 上沢流変化球の極意
自身と重ねて語る上沢直之が描く「藤原の未来図」

「質問したら全部返ってくるので。なんかもうすごい(笑)。自分の頭にはないことを上沢さんは考えているんですよね」

 昨年12月に20歳の誕生日を迎えた藤原は、目を輝かせながら語る。3年目の今年が勝負の1年。「はたちのつどい(旧成人式)」には参加せずに、宮古島で汗を流した。

 最速155キロを誇る右腕。直球は“一級品”だったが、課題は変化球にあった。ファーム非公式戦では21試合に登板して防御率3.04とまずまずの成績を残したが、2軍戦はわずか2試合の出場にとどまった。決め球として使っていたカーブは直球と軌道の違いがはっきりしていて、空振りが取れていなかったという。

 上沢とは面識がなかったが、球団支給の電話で連絡先を探し、メールで自主トレをお願いした。筑後以外では初めての自主トレ。上沢から学んだのは、球速の速いカーブを投げることだった。「1回浮く感じがなくなったので、成果が出ている感じがします」。他にもフォークに挑戦中。試行錯誤の段階だが、着実に手応えを感じている。

上沢が驚いた才能「えげつないものを持っている」

 上沢自身もそんな藤原の成長を実感している。元々面識はなく、投球を見たこともほとんどなかった。一方で実際に動画を見てみると、そのポテンシャルに驚いた。

「楽しみでしかないですね。才能の塊。シーズン中は話す機会もなかったですし、投球を近くで見ることもなかったんですけど。初めて一緒にやって、きっと将来はホークスを背負って立つようなピッチャーになるだろうなという感じはしました」

「真っすぐはすごいですよ。本当に。えげつないものを持っていると思う」と太鼓判を押す。課題だった変化球についても着実な成長を実感している。「かなりカーブの精度も良くなっている感じはある」と頷いた。

「いつでもカウントを取れる球種が1つでもあれば、すぐにでも結果を出せそうな感じの真っすぐを投げているので。まだ体の線も細いし、結構大きくなったらとんでもないピッチャーになるんじゃないかなと見てて思いますけどね」。

 今回の自主トレからは栄養士を雇い、食トレも敢行している。身長177センチに対し、体重64キロと細身の藤原。「食事が一番きついですね」と笑いながらも、少しずつ食事の量も増やしている。

 上沢自身も日本ハム入団3年目の2014年に1軍初登板を果たし、23試合の登板で8勝8敗、防御率3.19とブレークした。自らの過去と重ねながら、将来を担う若鷹の未来のために、自らの技術を惜しげもなく伝えている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)