年俸は倍以上…GMが明かす海野の評価は? 1億円減も、今宮がもたらした“好循環”

契約更改交渉に臨んだ海野隆司(左)と今宮健太【写真:竹村岳、森大樹】
契約更改交渉に臨んだ海野隆司(左)と今宮健太【写真:竹村岳、森大樹】

チーム3人目の保留…谷川原との交渉についても明かした

 ソフトバンクは6日、支配下4選手と契約更改交渉を行った。海野隆司捕手は5500万円(2900万円増)、栗原陵矢内野手は1億4000万円(1000万円減)、今宮健太内野手は2億円(1億円減)でサインした。谷川原健太捕手は保留。チームでは柳町達外野手、大津亮介投手に続き今オフ3人目となった。

 この日の交渉を終え、三笠杉彦GMが取材に対応した。球団が見た新選手会長・栗原の“リーダーシップ”。保留となった谷川原との交渉についても語った。主な一問一答は以下の通り。(金額は推定)

――海野選手のこの1年の成長をどう見ていた?
「体も、精神的にもキツかったでしょうし。特に序盤は中々うまくいかないところもあったでしょうけど。そういうところを乗り越えて、チームとして結果を出して、ピッチャーともしっかりやってくれたところが良い経験になったと思います。チームとしても結果が出たことが、自信になったんじゃないかなと思います」

――会見ではゴールデン・グラブ賞を狙いたいという話があった。
「ディフェンスが持ち味の選手ですので、ゴールデン・グラブ賞も十分取れる能力を持っていると思います。あとはバッティングですね。レギュラーになる時に、持ち味のディフェンスを生かしながらも、3割打者にならなきゃダメだということではないですけど、色々なところをレベルアップしてくれたらとても嬉しいなと思います」

――捕手の指標もかなり高かった?
「元々、僕らは捕手のディフェンス面の評価を甲斐(拓也)選手の時代からやっていますので。それに基づいて高い評価をしています」

――谷川原選手が3人目の保留。
「保留で本人もコメントを出しているので、私が詳細を話すのもあまり良くないなと思いますので。ただ前の保留した選手の時もそうですが、基本的に1時間ずつと決まっている中で、本当に納得してサインして来年を迎えてもらいたいと思っています。大事な話し合いなので。僕らフロントとしても『保留するな』とも言いませんし、本当に納得いく形でサインしてもらいたいので。ということでもうちょっと考えたいということでした。中身の話は控えますが、球団としてもしっかり評価をしているという前提での話し合いでした」

今宮健太の存在がホークスの「大事なカルチャー」

――今宮選手は複数年契約も終わって、単年契約。
「前が周東(佑京)選手が選手会長で、来年から栗原選手。まさに選手会長がいる世代が中心になってやっていくので。ベテランは逆に自分のことに集中して、しっかり取り組む姿勢でいてほしいですね。今宮選手には伝えましたけど、(今シーズンは)1軍でも2軍でも3軍でも、リハビリでも、やるべきことは変わらないということでしっかり取り組んでくれていました。それを当たり前のようにやってくれるのは、チームのカルチャーとして大事な存在です。みんなに指導をするとかそういう必要は全くないですが、自分のことに集中してプロ野球選手として準備すべきことをしっかりやってくれれば、自ずと結果が出ると思います。それを見て若い選手が勉強するという循環ができるんじゃないかと思うので、それをよろしくお願いしますという話をしました」

――来季からは遊撃だけではなく、複数ポジションに挑戦する。彼の価値が上がる?
「経験のある選手ですので。出場自体はプロになってからファーストが若い時に少しあったくらいで、それ以外はほとんどショートで新しいチャレンジではあります。でもチームにとっても彼みたいな選手がフィールドにいることのプラスはあると思っています。どうしてもショートオンリーとなると、他の選手との兼ね合いで起用が難しくなることもある中で、複数ポジションをやってもらうというのはチームにとってプラスになると思っています」

――栗原選手は選手会長として球団へ選手の要望も伝えたと言っていた。何か改善できそうなことはあった?
「きょう少し話し合いはありましたが、公表するレベルのものではなかったです。周東選手会長、今宮選手会長の時もそうでしたが、選手の代表として継続的にしっかり話し合っていこうということについて、進め方の話し合いをしました。僕だけが窓口ではなく、みんな同じ姿勢でサポートしたいと思っているので。例えばロッカーのことならチーム運営と話してもらう。そんなことも全然やってもらっていいので。お互いの体制、進め方の話し合いをしました」

「選手会長1年目は前任者とは違う観点、やりたいことや疑問点などを話したりして、意識を話し合う機会が多いので。年明けやシーズン開幕以降になりますけど、色々と話し合っていけたらいいなと、そんな話をしました」

――若いころから栗原選手を見ていて、リーダーシップや期待したいことは?
「改めてというよりかは、若い時からその世代のリーダーになる選手だなと思っていましたので。彼自身もアマチュア時代から日本代表でキャプテンをやったり、人を代表して大人、周りと話すみたいなことについては元々意識のある選手だと思っていました。そういう意味では全く心配がないというか。(選手会の)副会長もやっていましたし、若い時からフロントとも普通に話していますから。どうしても選手会長になったら、選手の意見を取りまとめるのに苦労する選手会長も多いですが、彼の場合はそういう全く心配がないというか。周東選手もそうでしたけど」

「ホークスの場合、先輩の選手がたくさんいる中で、彼らの意見も聞きながら同世代や下の意見を聞くことが大変そうだなと見ているんですが。彼の場合は苦労なく、特に年上の選手ともしっかり話をして『これ球団に言いますね』ということをやってくれる選手会長だろうと思います。周東選手や今宮選手といった会長も、そういうことをやってくれていて、良い先輩のお手本があるので、全く問題ないと思っています」

(鷹フル編集部)