城島CBO、1位佐々木麟太郎は「間違っていない」 存在は「唯一無二」、来月自ら渡米

取材に応じた城島健司CBO【写真:宮脇広久】
取材に応じた城島健司CBO【写真:宮脇広久】

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母校の花巻東高を訪問…父・佐々木洋監督に挨拶

 城島健司CBO(チーフベースボールオフィサー)は28日、岩手県の花巻東高校を訪れ、同校野球部監督で、ドラフトで1位指名した米スタンフォード大・佐々木麟太郎内野手の父でもある洋氏に挨拶を行った。

 23日のドラフト会議でソフトバンクは佐々木を1位指名。DeNAと指名が競合し、抽選で自ら当たりクジを引いた城島CBOが花巻東を訪れた。挨拶後には取材に応じ「今日は礼儀的な挨拶に伺いました。まずは驚かれていました。まさか1位で指名されるとは、お父様も麟太郎くんも思っていなかったそうです」と明かした。

 1位指名の背景としては「ドラフトのシチュエーションで2位、3位という想定もあったが、そこまで残っていないだろうと判断した。結果的に1位で競合し、ウチの評価は間違っていなかったと思いました」とうなずいた。「彼を見てきたスカウトは人間性、野球に取り組む姿勢、人に対する振る舞いも評価しています」とグラウンド外での姿勢にも注視している。

 佐々木は同校在学中に高校歴代最多とされる通算140本塁打を放ち、2023年ドラフトの目玉候補と見られていたが、プロ志望届を提出せず、米国留学を選択。今年9月には2年生に進級した。

 ソフトバンクとの入団交渉は、スタンフォード大のシーズン終了(来年5〜6月)後に解禁されるが、佐々木は7月中旬に行われるMLBドラフト会議の結果も踏まえて進路を決断する見込み。交渉期限はMLBが米国時間7月28日、NPBが日本時間同31日となっている。

佐々木麟太郎は「日本球界を引っ張っていってくれる選手」

 現時点で佐々木の進路は、MLBドラフトで指名され入団、ソフトバンクに入団、大学残留などの可能性が取り沙汰されている。城島CBOは「ひとつ言っておきたいのは、どちらを選ぶかは彼の意思を尊重したいということ。もちろんウチに来て欲しいが、アメリカを選んだら、活躍を期待したい」と改めて強調した。

 来月には城島CBO私自身が渡米するという。「本人に挨拶し、評価を伝えたい。ルールに則って進めていきます」。熱い思いを直接、伝える。「日本のどのバッターにも近くない、唯一無二。彼の打席を見てから帰ろうとか、彼の打席を見てからテレビのチャンネルを変えようととか、日本球界を引っ張っていってくれる選手になってくれるのではないか」と、能力の高さを改めて力説した。

 その上で「ホームランは野球の華ですよ。ウチに来てくれれば、(王)会長の寿命が10年伸びると思います。それくらい喜んでいます」とジョークを飛ばした。

(鷹フル編集部)