周東佑京が口にした「強えな、ハム」 覚悟していた“6戦目”…「グラウンドで倒れるくらい」

周東佑京【写真:加治屋友輝】
周東佑京【写真:加治屋友輝】

「最後までこうなるのはシーズンと一緒かなって」

 雌雄を決する大一番への覚悟がみなぎった。クライマックスシリーズ(CS)の突破、そして日本シリーズ進出に向け、選手会長の周東佑京内野手が強い言葉で決意を示した。

 ソフトバンクは19日、本拠地みずほPayPayドームで行われた日本ハムとのCSファイナルステージ第5戦に1-7で完敗した。3連敗を喫し、アドバンテージの1勝を含めて3勝3敗のタイに持ち込まれた。日本シリーズ進出の切符は最終戦の結果に委ねられることになった。

 2連勝の後に喫した痛恨の3連敗。敗戦の瞬間、本拠地には重苦しい空気が立ち込めた。試合終了から1時間38分後の午後5時41分。治療などを終えて球場を後にした周東は運命の一戦に向けて口を開いた。

「パ・リーグ最後の試合ですし、いい試合をできたらなと思います」

 敗れた3試合はいずれも大量失点を喫し、打線も沈黙。この5試合で相手の23得点に対し、チームはわずか9得点にとどまっている。悪い流れを断ち切るために何が必要か。報道陣からの問いに選手会長が口にしたのは、チーム全員で共有すべき悲壮なまでの覚悟だった。

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続きの内容は

周東選手会長が語った、綺麗事を捨てた「泥臭い野球」の正体
敗戦直後、選手間で交わされていた「ライバルへの偽らざる本音」
選手会長が明かす、この苦しい展開を「予期していた理由」とは

「全員が明日終わった時にグラウンドで倒れるぐらい必死にやることかなと思います。それくらいいかないといけない相手ですし、もう綺麗に野球をやるとか、そういうのはいらないと思う。泥臭くいけたらなと思います」

 余裕も油断も端からなかった。対戦相手の日本ハムとは、シーズン終盤まで熾烈な覇権争いを繰り広げてきたライバルだ。短期決戦とはいえ、一筋縄ではいかないことは覚悟の上だった。

「もちろんそう思ってましたし、最後までこうなるのはシーズンと一緒かなって。シーズンも結局、ハムと最後までもつれましたし。このシリーズも最後までもつれる可能性もゼロじゃなかったので」

 シーズン中の対戦成績は13勝12敗。カード5連勝を飾ったこともあれば、2度の4連敗も喫している。劇的な勝利を飾ったこともあれば、苦い思いをさせられたこともある。何度も大熱戦を演じてきた相手で、まさに“互角”の相手なのだ。

 この日の第5戦に敗れた直後、選手間では「強えな、ハム」と率直な思いが交わされていたという。決して弱気になっているわけではない。宿敵の強さと勢いを認めた上で、この頂上決戦へと気持ちを奮い立たせた。

「もう本当に勝っても負けてもパ・リーグ最後の試合ですし。まあ、やるだけって感じですかね。本当に監督も言ってましたけど、わかりやすいとは思います」

 泣いても笑っても20日の一戦が最終決戦となる。周東佑京とホークスは、死力を尽くして、最後の1勝を掴み取りにいく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)