周東好捕の裏にあったベンチでの“会話” 今宮健太は「4番もあった」…小久保監督コメント

小久保裕紀監督【写真:小林靖】
小久保裕紀監督【写真:小林靖】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

近藤の登録抹消は否定も…現状は「まだ難しい」

 ソフトバンクは2日、みずほPayPayドームでのオリックス戦に2-1で逆転勝ちを収めた。先発したリバン・モイネロ投手は6回1失点。3番手として8回に登板し、無失点に抑えた松本裕樹投手が今季3勝目をマーク。9回を締めた杉山一樹投手が23セーブ目を挙げた。

 打線は6回まで相手先発の宮城を打ちあぐねたが、0-1の7回1死三塁で代打で登場した中村晃外野手が左前に同点適時打。8回2死三塁では今宮健太内野手に適時打が生まれ、勝ち越しに成功した。この日取材対応した小久保裕紀監督の主なコメントは以下の通り。

●試合前

――近藤健介選手の状態は?
「まだ難しいですね。抹消はしないです。どのくらいでいけるようになるか。本人が動けるようになっても、10日抹消すれば出られないので。この時期ですし、何とかこっち(1軍)でやりくりできれば。あとは(試合に)出られなくてもベンチで人一倍声を出しているし、そういう役割もあります」

――笹川吉康選手が1軍に合流した。
「きょう登録しますよ。ファームで一番状態がいいと報告も上がってきていますしね」

――2軍で12本塁打。長打が増えた印象。
「元々、課題は左ピッチャー。左(投手の対戦打率)が1割、右が3割とはっきりしていたので。左投手が打てるようになれば伸び代はある。(2軍でのプレーを)見ていましたけど、右ピッチャーはそこそこ高いレベルでも対応できるようになっていますね」

――今後は長打も打てるように育ってほしい?
「それ(長打力)は捨てるものじゃないので。まずは打率(が大事)と話していて、だいぶんコンタクトも上がってきているので。簡単に三振しないようになりましたよね」

――笹川選手の起用法は?
「頭からいける可能性がある選手として、ファームの中で一番いいので。どこかで使うと思います」

――石塚綜一郎選手も2軍で結果を残している。
「昇格候補として名前は上がっていたんですけど、近藤が出られないとなれば外野が必要なので。(昇格見送りは)チーム編成のところです」

――柳田悠岐選手が実戦復帰した。
「内容というよりは、走れているかなので。本人と電話で話した時は『朝起きると痛い』と言っていましたけど。ただ、試合に出てからは話していないので。走った次の日の状態とかをこれから見ていく感じですね」

――近藤選手の状態も踏まえ、柳田選手をDHや代打でも使いたい。
「本人がこれでいけるという手応えがあるかですね。あれだけゲームから離れていたので。今週1週間はファームで。その先はまた考えます」

――9月はオリックスと11試合が組まれている。
「元々、日程を見た時にオリックス戦がポイントになるなと思っていたので。その通りになりましたね。打線がいいですからね」

周東のファインプレー「佑京にしか捕れない」

●試合後

――最後は周東佑京選手のファインプレーでゲームセット。
「佑京以外は捕れていないでしょうね。本当のプロのプレーだなと思いましたね」

――7回に代打・中村選手のひと振りで同点に。
「左の宮城に対して、ほとんど対戦のない晃を出したんですけど。海野もきょうの対応は悪くなかったんですけど、ここはもう勝負をかけようということで。あそこでヒットを打つんですから。やっぱり昨年からの経験が生きているなと思いますね」

――8回は無死一塁から犠打で好機を広げ、今宮選手が決勝打を放った。
「宮城とモイネロの対決なので、1点勝負の展開はわかっていた。宮城を降ろした後、中継ぎ陣を考えれば1点を取れば逃げ切れるという思いで、もちろん送りバントを出したんですけど。そこで期待に応えた今宮ですよね。きょうは本当にチームを引っ張ってきた2人が力を発揮した試合でしたね」

――優勝も何度も経験しているベテラン2人の存在は大きい。
「この勝負の9月に入ってね。逆に彼らはワクワクしているんじゃないですかね」

――モイネロ投手は6回1失点と粘り強く投げた。
「やっぱりオリックス打線が本当に状態のいい選手が多いので。その中でヒットを打たれながらも、しっかりゼロで抑えてくるところはさすがだなと思いました」

――明日に向けて。
「まずはカード勝ち越し。明日は大関(友久)なんで。しっかり低めに集めながら、打ち取ってほしいなと思います」

――宮城投手が尻上がりに状態を上げて、嫌な感じがあった。
「クリ(栗原陵矢)のツーベースからですけど。中盤から変化球がかなり増えていたので、本来の配球とはかなり違いましたけど。チャンスが数少ないことはわかっていたので」

――中村選手は左投手を打てていなかった。
「そこは全く気にしていないです。晃を代打で出す時は、相手投手は見ていないです。きょうはスタメンという話もあったんですけど、展開的に代打で控えていたほうがいいかなと。こういう展開になるのは分かっていたので。切り札がいたほうがいいということで、急遽スタメンを外したので」

――今宮選手の5番起用も的中した。
「4番も頭にあったんですけどね。いらん気を使わせたくはなかったので。昨日の僕の手帳には4番と書いていました」

――周東選手のビッグプレー。
「佑京しか捕れないでしょう。ベンチで9回に(相手打者の)誰が出てくるかを想定して、バッテリーコーチと話をして守備に向かっていたので。それがないと(打球に)追いついていないでしょうね」

――周東選手の9番起用は疲労を考慮した?
「それもありますけど。初回だけじゃないですか、(確実に)1番から始まるのは。それ以外のイニングは9番から3番の流れを考えたら、9番から(上位打線に)繋がっていけばいいなと。最初は海野9番も頭にあったんですけど、周東を9番にしようと」

――9月は白星発進。
「勝負の9月です。一騎打ちなので」

――谷川原健太選手は試合前に外野守備をしていた。
「ちょっと練習させています。本人とも話をして、キャッチャー一本でやっていたんですけど、本人も試合に出られるのが最優先ということで。近藤がこういう状況の中で、勝負をかけた時に(外野守備ができる)オプションがあったほうがいいと。本人とも話し合った上です」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)