無安打も好影響の“柳田効果” 若鷹は「本当に見習ってほしい」…松山2軍監督コメント

実戦復帰した柳田悠岐【写真:長濱幸治】
実戦復帰した柳田悠岐【写真:長濱幸治】

9回に2点差追いつかれ、延長戦の末に敗れる

 ソフトバンクの2軍は29日、ウエスタン・広島戦に2-3で競り負けた。右脛骨の骨挫傷から約4か月半ぶりに実戦復帰した柳田悠岐外野手は「1番・DH」で先発出場し、3打数ノーヒットも、捉えた打球もみられた。先発の板東湧梧投手は7回4安打3奪三振無失点と好投。2点リードの9回に登板した伊藤優輔投手が1死も取れずに2点を失って追いつかれると、延長10回に決勝点を奪われた。試合後に取材対応した松山秀明2軍監督のコメント全文は以下の通り。

――柳田選手が実戦復帰を果たした。
「打った後のランニングが思った以上に速いから、びっくりしました。全然速いじゃん、みたいな。そこまで走って大丈夫なんかなと、逆に心配になるくらいのスピードだったので」

――ベンチでの声出しも積極的だった。
「素晴らしいですね。もう本当に若い選手も当然見習うべきで。凡退しても(ベンチに)帰ってきたら一番に声を出すし。そういうところってホークスの伝統でもありますので。柳田選手レベルがそういう姿勢で野球をするっていうことは、本当に2軍の選手も見習ってほしいなと思います」

――柳田選手はミスショットが多かったと話していた。
「絶好調ならセンター(3打席目の中飛)も入っているでしょうし。きょう初めて打席に立っても、あれくらいの打球を飛ばせるというか。逆に言えば芯付近にしっかりボールを当てられているんでね。そういう意味では、あとはコンディショニング。きょうの(相手)ピッチャーもよかったので、そこは思った以上に対応できているので。ちょっと安心しましたけどね」

――実際に4か月半のブランクというのは相当なもの?
「相当でしょうね。ほぼ半年近くやっていないのに近いので。打席でボールを見て、それに対応できている。(2打席目の)ショートゴロも芯だし、センターに打ったのもほぼ芯。そんなに崩されていないんでね。ただ明日、きょうの試合に出た後の体の反応がどうなるのかっていうところ。そこだけですもんね」

――イヒネ・イツア内野手は安打に盗塁と躍動した。
「彼はバッティングに関しても、最初は成績が出なかったですけど、同じことをずっとやり続けているので。やり続けて、やっとそこで最近結果が出てきた。そこまで続けてやってきたという部分がね。やっぱり野球って1か月、2か月やったところで、すぐに技術になるもんじゃないので。やっぱり半年、1年、2年、3年かけて作っていくもんですからね。だから、そこを根気よくやっていく能力も必要だということですよね」

育成勢アピールに「チャンスがつながる可能性ある」

――板東投手は相変わらずの安定感。
「きょうは最近の中では一番、ボールもコントロールできていて、よかったと思います」

――3試合ほど安定したピッチングを続けている。
「僕の中ではきょうが一番よかったので。やっぱりボールの力であったり、コントロール、バランスっていうのが、きょうは100点に近いかな。だから7回までいけたというか。そういうのはありますけどね」

――中澤恒貴内野手は代打で適時打。藤野恵音内野手も好守を披露。支配下選手登録期限は過ぎたが、育成の選手はしっかりとアピールしている。
「試合に出ている以上はね。育成であろうが、支配下であろうがしっかりと責任を持ってプレーするべきなので。それができないとね、僕らもゲームに出す意味がないので。今、育成選手たちもしっかりと頑張ってくれている選手も多いですしね。そこで力をつけられればね。また来年がどうなるかはわかりませんけど、チャンスがつながってくる可能性はありますよね。もうやらなかったら可能性は繋がらないので」

――9回は川口冬弥投手が逆転のピンチで踏ん張った。
「よく頑張ってくれましたよね。ただ、あそこ(2死一塁から)フォアボールを出してっていうのは、ちょっと残念な結果ですね。僕らからするとね」

――8回までは無失点で相手打線を抑えていた。
「そこは僕の継投ミスではありますよね、結果的に考えると。そこは本当に継投ミスですね。でも、ミスにならないように頑張ってほしいですけどね。結果的に使ったのは僕らなので。だからこそ、その期待に応えてほしいというか。期待に応えてくれないと、次のチャンスが回ってこないので」

――2軍も終盤戦を迎えて、優勝も見えてきている。意識は変わってくるのか。
「もう(優勝争いに)慣れてきている選手が多いので。去年の場合は優勝したいとか、優勝しましょうという声もたくさん出ていましたけど、今年はどちらかというと自分の成績を出していくと。上を目指している感覚の方が多いような気はしますよね。当然、成績を出せれば、チームは勝てるので。そこのところはね、まずは自分の成績をしっかり出して、アピールしていくと。その結果が結集したものが、チームの勝利となるので」

――あくまでも自分の成績を求めていい。
「そうですね。だから、伊藤が抑えてほしいところで(結果を)出して、起用に応えてくれていたら、勝てましたよね。そういうことですよね。だからもう、そこは本当に選手が頑張れるか頑張れないか。選手にとっては自分の成績を残していけば、当然プラスだし、1軍に近くなるし。そこでやっぱりチャンスを逃していくと、2軍でのチャンスも減っていくし。そこはみんな競争なので。誰かを(優先する)ってやっているわけじゃないので。いい選手を使っていきましょうっていうことですから」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)