緒方理貢&牧原大成に「プロの仕事」 ベンチの思惑…決死の三盗を小久保監督が絶賛

小久保裕紀監督とハイタッチする牧原大成【写真:古川剛伊】
小久保裕紀監督とハイタッチする牧原大成【写真:古川剛伊】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

モイネロは7回10奪三振無失点の好投

 ソフトバンクは17日、みずほPayPayドームで行われたロッテ戦に1-0でサヨナラ勝ちを収めた。両チームともに無得点で迎えた9回1死一、三塁で牧原大成内野手が一塁線を破る安打を放ち、試合を決めた。先発したリバン・モイネロ投手は7回3安打10奪三振で無失点の好投。その後は松本裕樹投手、杉山一樹投手と無失点でつないだ。試合後、小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

――最後は緒方理貢選手の三盗があり、牧原大選手の一打で試合を決めた。
「本当に勇気のいるスチールだったんですけどね。しっかり決めてくれたので、牧原も楽に打席に立つことができたのかなと思います。緒方と牧原が本当にプロの仕事をしてくれましたね」

――近藤健介選手のところで代走に緒方選手。勝負をかけた采配だった。
「相手ピッチャーによって、チャンスがあり、なしというのはデータがあるので。勝負できる緒方を突っ込もうというところで。(近藤が)出れば緒方と決めていました」

――緒方選手は2軍で再調整をして上がってきた。あらためて気迫やプレーをどう見ている?
「彼にとっても不本意な2軍だったかもしれないですけど。野球人生をトータルで考えると、その1週間や10日っていうのがプラスになるんじゃないかと思って送り出したので。それが戻ってきて、いい形で出ていると思います」

――モイネロ投手は7回を103球で投げ切り、無失点。
「さすがですし、前回(10日の日本ハム戦を)完封した後で、また来週は日本ハム戦が控えているので。きょうはもう、あの回(7回)で。もっと言えば6回で切ってもいいかなという話もしていたので。本当に良く投げてくれましたね」

――1点が重い展開の中で、松本投手、杉山投手も見事な投球をみせた。
「(モイネロが)7回を投げてくれたおかげでね。10回は藤井(皓哉)を用意していたので。1イニングの大切さっていうのはね。何といっても後から行くピッチャーの安心感というのが打線にもね。0点で抑えてくれるだろうという思いで、攻撃できると思うので。きょうの勝ちは大きいと思います」

――福大大濠高の吹奏楽部の演奏もあった。
「なんか甲子園みたいな。僕、甲子園出てないので分からないんですけど。雰囲気が甲子園みたいでした」

――今後へ向けて。
「ここまで来たら本当に一戦必勝なので。もうとにかく思い残すことなく、悔いのない試合を1試合ずつ積み重ねる。それだけだと思います」

50試合登板の杉山に「70試合は止めたいですね

――しびれる三盗だった。迷いはなかった?
「迷いはありますよね。あるけど、選手とコーチを信頼してですよね」

――緒方選手の突き指は問題ない?
「折れてはいなかったので。全然大丈夫です。それでも無理くり打撃練習をする必要はないので。こちらが迷った中でも後押ししてくれるコーチ、そして決めてくれた緒方。立派な勇気でしたね」

――緒方選手はギラついて戻ってきた?
「そういうものを求めて行かせたので。去年1年の経験が一番大きかったんじゃないですか。少々打てなくても守備と走塁で1軍にいたし、そこは合格点でしたけど、あえて2軍に行かせたので。まあこの(15日と17日の)2勝は彼の活躍が大きいですね。存在感を示したロッテとのカードだったと思います」

――モイネロ投手はトレーナーと話す場面もみられた。
「筋肉じゃないんですけど、違和感があると。球速が出ていなかったのは関係ないです。ガンが故障していたみたいなので。次のハム戦は大丈夫だと思います」

――杉山投手は50試合目の登板となった。
「目標は70(試合)と(本人は)言ってるんですけど、そこは止めたいですね。今年で終わるわけじゃないので」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)