2軍で“変化”した若鷹「明らかに出た」 前半戦を総括…松山監督「まぐれは続かない」

松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】
松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】

首位とは3ゲーム差の2位「選手が頑張った結果」

 ソフトバンク2軍は24日、タマスタ筑後で全体練習を行った後に名古屋へと移動した。前半戦80試合を終えて45勝32敗3分け。松山秀明2軍監督がここまでの戦いを総括した。最も“変化”を感じる若鷹として、名前を挙げたのは? 「まぐれは続かない」「何の価値もない」と、ファームとして理想の“あり方”を説いた。

 25日からは3ゲーム差で背中を追う首位・中日との3連戦。ウエスタン・リーグ3連覇を目指して、後半戦に突入する。

――前半戦は貯金を13個作った。改めて振り返ってみて。
「怪我人がたくさん出てしまった。2軍からも(1軍の)試合にたくさん出られたというか、チャンスを与えてもらった。その中で2軍としてこの成績がよく残ったなと。1軍にいくためだとか、支配下選手になるためという目的でずっと試合をしてきたので。勝敗に関しては、選手が頑張った結果。僕たちの期待に応えてくれているので、チームが勝てているという状態ですね」

――入れ替えも激しくて、ファームとしての準備も大変だったのでは。
「だから育成の選手たちが2軍で出る機会も増えた。そういう意味では、チャンスを生かしてくれている選手も多いし。どちらかというと、2軍から1軍を目指している選手たち。笹川(吉康)、井上(朋也)、廣瀬(隆太)であったり。成績を出せれば、もっと1軍にいくチャンスは増えてくると思うんですけどね」

1軍では怪我人が続出「チャンスをたくさんもらった」

――監督の中で変化や成長を感じた選手は。
「明らかにそれが出たのが山本(恵大)。彼ももうワンランク、ツーランク上げることができれば、1軍に定着してやっていけると思う。それがすごく難しいことなんですけどね」

――前半戦で松山監督も話していたが、レギュラーの選手にはできていて、若い選手にはできていないことがある。
「僕は1軍で野球をやって通用できるのか、できないのかということを見極めている。じゃあ、2軍で打率2割8分を打ったから1軍で打てるのかっていうのは、違うこともたくさんあるので。2軍の成績と、1軍の成績が近くなるような技術を持っていてほしい。結局それができているのが山本なので。彼を見ていると、1軍でも対応できるのかなっていうものを感じた。1軍で通用することを目的として、技術を身につけていってほしいなと思いますよね」

――投手陣もファームで結果を残した大津亮介投手らが、1軍に上がっていった。
「そうです。彼らは当然、2軍でそれなりの結果を出している。でも1軍に通用する結果っていうのは、やっぱり(1軍で今季初勝利を挙げる前、2軍戦での)最後のピッチング。それまでの内容は(大津も)1軍ではなかなか苦しいピッチングでしたし」

――7月21日の西武戦(ベルーナドーム)で今季初勝利を挙げた。
「その西武戦に投げる前のピッチングが、彼にとっては1軍でも通用するというものだった。だから、2軍で抑えたから1軍でも抑えられるということではないんですよね。どういうボールを投げて抑えられているかということが大事であって、結果じゃない。もちろん大津も常に1点、2点くらいに抑えていたわけですけど、その内容です。それを見極める立場が、僕たち(首脳陣)なので」

1軍に定着するために必要なこと「すごく難しい」

――見極めて、推薦しての繰り返し。
「当然、結果を出さないといけない。でも、その中身も必要ということです。2軍では打てるけど1軍では打てない選手もいるし。見極める目が必要です」

――前半戦を見ていると、若鷹に対して「プロの姿勢」を説くようなシーンも印象的だった。
「僕らはプロアスリート。野球人として初歩的なことができていないと。いくら結果を出したとしても続かないと思う。だから、まずはそこが本当に大事だと思っている。結果を出すべくして出せるようにしないと、まぐれは続かない。僕はずっと野球を見てきましたけど、まぐれは続かないです」

――初歩的なことだとしても、言い続けないといけないことがある。
「僕らは、それができるようになるまで言い続けるのが仕事なので。逆に、1軍に定着できた時に初めて、手放せるようになる。こっちでレギュラーになろうが、2軍は2軍。何の価値もないので。やっぱり1軍のレギュラー、定着できるような選手を作っていくことも、僕たちの目標ですね」

――首位・中日を3ゲーム差で追いかけている。後半戦に向けて。
「今年もそういう位置でゲームができるのは、ある意味楽しみでもある。自分たちのモチベーションも上がるし、マイナスになることはないです。そういう(重圧がかかるような)試合の中で、いつも言うように力を出せる選手になってほしい。そこを見極めるためにも、(チームがいい位置にいるのは)いい環境ではあるっていうことですね」

(竹村岳 / Gaku Takemura)