12月20日から公開される長編ドキュメンタリー映画「FUKUOKA SoftBank HAWKS REVIVAL ―2024優勝の軌跡―」の舞台挨拶付き上映会が17日、マークイズ福岡ももちで行われた。登壇したのは今宮健太内野手と川瀬晃内野手。リーグ優勝を成し遂げた2024年。裏側を届ける映画の内容について「選手のいろんな姿が見られる映画となっていますので、ぜひ皆さん、楽しんでご覧ください」とファンに呼びかけていた。
「自分で取った権利ですし、それを使うのか使わないのか、自身の自由なところだと思いますから。また注目を浴びるチームに行くので、プレッシャーとかいろんなものを背負うと思いますけど。ぜひ頑張ってほしいなと思います」
16日の夜に電話がかかってきていたが、すでに床に就いていた今宮。目を覚まし「『ん? 電話なんだ、これ』って思いました。『もしや……』と思ってパッてYahoo!で調べたら『そういうことか』と。LINEを送ったらすぐに電話がかかってきました。『あっちに行きます』ということでした」とやり取りを明かした。「仲間ですけど、(これから移籍して)しんどいこともあると思う。そこを打ち破って、もう一発かましてほしいです」と期待を寄せる。
2009年ドラフト1位で入団した今宮と、2010年育成6位でプロ入りした甲斐。「本当に苦しい中でやってきたと思います」。キャリアは違えど、年齢も1歳差でお互いの道を歩んできた。自身が初めて規定打席に到達したのは2013年。レギュラーの座をがっちり掴みながら、2017年から頭角を現した甲斐の姿を見守ってきた。
「すごい努力というか、そういう姿は見ていました。本当に、当時は雁の巣でユニホームが泥んこになってずっとやっていたのは覚えていますし。あのハングリー精神があったから、ここまでやって来られたと思いますから。そういったものを、これからの育成選手も感じてほしいと思いますし、伝えていきたいなと思います」
印象的なことを問われると「あいつの場合は、いっぱいありますからね……」と思い出そうとする。「やっぱりブロッキングじゃないですかね」とすぐに頭に浮かんだ。ゴールデン・グラブ賞を5度受賞した今宮と、7度受賞した甲斐。遊撃の位置から、扇の要に座る姿を見てきた。寄せていたのは、全幅の信頼だ。
「あれは多分、大袈裟に言えば今後何十年と出てこないようなブロッキング技術だと思います。あれは投手としても助かるだろうし、野手としても『やられた』と思ったところで止めてくれるので。その技術も彼の努力と練習の成果ですから」
2025年、巨人との交流戦は6月10日から3連戦が予定されている。「(甲斐が)キャッチャーでいるわけですけど、そこまで意識することではないのかなと。来年から敵チームになるという違和感がありますけど。拓也も移籍1年目で、僕も来年は大事な年ですから。お互いに頑張っていきたいと思います」。契約更改で、自分自身は“生涯ホークス”を宣言した。「今後何十年出てこない」ような捕手とプレーしたことは、今宮にとっても大切な財産だ。