クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ開幕を直前に控えた10月13日、思わぬアクシデントに襲われた。同僚の優しさが身に染みた。ソフトバンクの谷川原健太捕手は現在、ファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」でリハビリ調整を行っている。
「みやざきフェニックス・リーグ」に参加していた13日、都城で行われた日本独立リーグ野球機構選抜との試合前練習中に、相手チームの選手が投げたボールが谷川原の右側頭部を直撃した。救急車がグラウンドに到着し、そのまま宮崎市内の病院に搬送された。診断結果は「頬骨基部(側頭骨側)骨折」。翌14日に「右頬骨弓骨折観血的整復術」を受けて、入院を余儀なくされた。
「(セカンドアップで)走ろうとした時に『危ない』って聞こえて、ボールが当たりました。めっちゃ痛かったですね……。救急車が来て、病院に行って……。3日後くらいに退院しました」
送球が直撃した13日は、痛みのあまり食事もできなかった。「口も開かなかったので、庄嶋(大一郎2軍アスレチック)トレーナーが買ってきてくれたゼリーとかプロテインだけ食べました。手術を受けて口が開くようになっても、水みたいなお粥しか食べられなかったです。自分が好きなものを食べられなかったので、それはキツかったですね」。右頬は「陥没していた」と言い、修復するためすぐにメスを入れることになった。
15日には自身のX(旧ツイッター)を久々に更新し、骨折したことや手術を受けたことを報告した。「身内からもたくさん連絡がきましたし、ファンの方からもダイレクトメッセージをいただきました。早く報告したかったのはありますし、自分からも(伝えたい)思いはありました」。心配してくれるファンを少しでも早く安心させたかった。
入院期間中、嶺井博希捕手とリチャード内野手がお見舞いにきてくれた。「スタバ(スターバックス)のドリンクを買ってきてくれたので、元気が出ました。あれで回復も早まりましたね」と笑顔で感謝を口にした。病院の1階フロアで立ち話をしたというリチャードは、「タニさんが当たった時、僕の目の前だったんですよ。すごく痛がっていましたし、心配しました……。『うわ、終わった。(頬骨が)へこんでいるわ…』って言っていました」と、いてもたってもいられずに先輩のもとへ駆けつけた。
谷川原に、改めてファンへのメッセージをもらった。「今はもう練習もできていますし、復帰は早いと思います。怪我をした分、来年はたくさん活躍して、元気な姿を見せたいです」。心配させてしまった分、来季こそ必ず期待に応えたい。