ソフトバンクは18日、日本ハムとの「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ第3戦に3-2で勝ち、4年ぶり日本シリーズ進出を決めた。試合後の表彰式では12打数6安打、3本塁打、6打点の山川穂高内野手がMVPに。ファンの得票によって、印象的な活躍を見せた選手に贈られる「パーソル賞」には今宮健太内野手が選ばれた。
このシリーズで3試合とも「6番・遊撃」で出場した今宮。初戦には本塁打を放つなど、3試合で10打数5安打1打点をマークした。第3戦は安打こそなかったものの、2つの犠打を決めて貢献。安定した守備も健在で、攻守にわたって存在感を発揮した。
そんな今宮は「びっくりしました。(パーソル賞は)僕じゃないなと思ったんすけどね。僕の中では川瀬なのかなと思いました。もちろん山川のMVPは間違いないですけど、川瀬でしょう。そう思います」と語った。川瀬自身はどのような思いだったのだろうか。
「そういう話もみんなからしてもらったりはしていました。でもよく考えたら今宮さんじゃないですか。今宮さんがもらったわけですしね」
16日の第1戦、3回の守備だった。1-1の同点に追いつかれた直後の1死一、三塁。松本剛のセンターに抜けそうな当たりを二塁の川瀬がダイビングキャッチし、併殺を完成させた。ファイナルステージは3連勝で、結果だけをみると日本ハムを圧倒した形だが、川瀬のワンプレーがなければ同じような結果にはなっていなかったかもしれない。
この日、小久保裕紀監督も、「晃のあのプレーは本当に(ファイナルステージの行方を)左右したと思います。それぐらい大きいプレーだった。パーソル賞かと思ったんですけど」と語るほど、鍵を握ったプレーだった。首脳陣や選手はもちろん、受賞した今宮も“川瀬のゲッツー”が価値のあるものだと賛辞を送った。
「川瀬にも(賞金を)分けないといけないので、いいご飯に連れていきたいなと思います。初戦で負けていたら、こういう展開にはなっていないと思うし、あれが最後までこういう形で流れを呼んだのは間違いないので。パーソル賞はやっぱり川瀬でしょう」。100万円の賞金は、2人での美味しい食事に使うと語り、笑みを見せた。
川瀬自身は「もういつもお世話になっているので、それは関係なく。いつも美味しいご飯に連れて行ってもらっているので」と、普段から親しくしてもらっている先輩への感謝を口にする。
第2戦と第3戦目は出場機会がなかった川瀬だが、その表情はいつになく疲弊していた。いつ出場してもいいように、万端の準備をしていた証だった。「こういうプレーを次のステージでも出していきたいなと思います」。日本シリーズ進出を決めた後でも謙虚な気持ちは変わらない。
球場を後にする川瀬の手には、併殺を完成させた時に撮られた今宮とのツーショットのパネル。そこには今宮のサインが書かれていた。