延長12回に西武バッテリーの捕逸でサヨナラ勝ち「こんな終わり方があるんや」
ソフトバンクは28日、西武戦(みずほPayPayドーム福岡)に3x-2でサヨナラ勝利を収めた。同点の延長12回2死満塁で、西武バッテリーの捕逸で試合が決まった。先発した東浜巨投手は7回1失点の好投。6投手を繋いで、サヨナラ勝利に結びつけた。打線は初回に山川穂高内野手が先制の適時打。7回には甲斐拓也捕手が1号ソロを放って勝ち越した。試合後、小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。
○小久保裕紀監督
――思わぬ結末だった。
「どっちに転んでもおかしくない試合でした。あんな終わり方もあるんだなと思いました」
――延長12回のサヨナラの直前、川村友斗外野手が右前打で繋いだ。
「もう十分、周東がいない間も彼の代わりというかセンターで結果も残してくれていた中で、今日は周東スタメンで復帰したんですけど、いきなりフルは……という中で今宮に代えて途中から(川村を)出場させたんですけど、本当に素晴らしい活躍で、非常に頼もしく見えますね」
――8回以降はピンチの連続。どんな思いで見守っていた?
「でも最後はホームを踏ませなければ、というところはずっとキャンプからランナーをためてもホームを踏ませないというのは(伝えている)。それが実戦できたと思います」
――連勝を伸ばしていきたい。
「ただ西武戦に関しては紙一重で常にこういう試合になるという覚悟の上で西武戦は戦っていますので、本当に先発も中継ぎも、投手陣がいいという印象なので、緩めることなく明日もやっていきたいです」
――投手陣をはじめとした守りが目立った。
「どっちに転んでもおかしくない試合だったので、あんな終わり方があるんだという感じでした」
――西武戦は5戦5勝。接戦を制していることにも価値がある。
「あの状況から、前の打席にホームランを打っている甲斐に代えて海野を出せる信頼みたいなものも含めて、そういうところも含めてじゃないですか」
――延長10回無死、甲斐選手に代打を送った。接戦の中で捕手を代えることは勇気がいると思うが、海野選手にはそれだけの頼もしさがある。
「勝負をかけたというところですね。あの回は右(相手投手が)なら、あの2人(三森、川瀬)を出そうと決めていました」
――川村選手の頼もしさが増している。
「今日も、本当は準備をさせられなかった。ただ周東の復帰からの体力面を含めて、今宮に代えた。なるべくキャッチャーを(打順の巡りで)遠いところと考えた時に、川村なら先頭からで面白いなということで、今宮に代えました。スッと守りから自分のプレーが、2軍時代から目が合ったら行けるような選手になれ、というのは実戦してくれています」
――最後のピンチ、延長12回の守備というのはどんな心境で見守っていた?
「別に? なんともなかったです。なんともなかったというか、見ていました、信じて」
――手に汗は握らなかった?
「全然(笑)」
――貯金が「10」に達した。
「西武戦なんてこないだの3連勝も、紙一重じゃないですか。2戦目に、山川が満塁ホームランを打った時かな。あの試合くらいです。あとはどっちに転んでもおかしくない戦いなので。あと交流戦まで7試合あるので、全然そんな感じはないです。引き締めていきます」
――リリーフが無失点で凌ぐというのを全員が実戦できているというのは準備ができているから。
「準備というよりは開き直り。それも含めて。藤井もランナーが三塁に行ってからの方がいい球が行っていますし。開き直りの部分じゃないですかね」
――西武の投手陣は手強い。
「それは最初から言っていることなので」
○倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)
――リリーフの個々の状態は、そこまでは悪くない。
「多少の波はシーズンなので、ある。状態を見ながら考えていきたいとは思っています」
――先発の東浜投手は、いい内容が続いている。
「今日も、すごく良かったとは思わないんですけど、悪いなりのピッチング、組み立てができている。最後の2イニングは立ち直って、自分の球を投げられていた。そういう修正能力が、昨日に関しては良かったですね……。ああ、今日か。昨日みたいやな(笑)」
――松本裕投手が初失点を喫した。
「疲労というのは当然、たまってきていると思う。コンディションを含めて、よくできるように取り組んでいきたいとは思っています」
――ゲームである以上、なかなか都合良く休ませることができない。
「登板過多というか登板が多い選手というのは、出るシチュエーションというのをすごく狭めてやっているんですけど。当然、そのシチュエーションだったので行ってもらいましたけど、状態を見て、コンディションを良くする取り組みも、これからもっと考えていかないといけないです」
――前田悠伍投手が韓国遠征で先発した。これからどこで投げさせていくのか。
「いろんな軍でという感じです。遠征も多いですし、どこが一番、彼にとっていいのかっていうところは考えています。必ずしも2軍、3軍とかは考えていないです。悠伍の場合は、固定はしないです」
――次はまた球数を増やす。
「そうですね、はい。球数は増やしていくと思います」
――海野選手も含めてだと思いますが、投手陣全体の成績における甲斐選手、捕手陣の貢献というのは。
「もちろん大きいです。コミュニケーションもしっかりできていますし、意思疎通も取れている。投手だけじゃなくて、捕手、野手の守りも含めて上手く今のところは噛み合っていると思います」
――昨年までも当然あったと思うが、甲斐選手の存在感が大きい。
「当然大きいですよ。オスナが(9回の守備で、甲斐が二盗を阻止)クイックをせずに刺すくらいですから」
――前田悠投手は、間隔は空ける?
「回復を見ながらですね。あまり、週に1回というのはあまりやらない。来週中6日でいく可能性もあるし、ただまだそこまで、週1回でずっとまわすようなことはしないです」
(竹村岳 / Gaku Takemura)