ソフトバンクの2軍は10日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦に9-0で勝利した。先発した和田毅投手が6回無失点4安打6三振。左手中指にできたマメの影響を感じさせない投球を披露し、視察に訪れていた小久保裕紀監督にアピールした。打線では「4番・一塁」で出場した井上朋也内野手が初回無死一、二塁で、左中間に2点適時二塁打を放つなど、3安打2打点の活躍を見せた。試合後の松山秀明2軍監督のコメント全文は以下の通り。
――イヒネ選手は前を向くタイプか、悩んでしまうタイプか?
「いつも前向きな言葉を出すんですけどね。出すんですけど、やっぱり想像以上の数字(打率)なんで。彼にとっても、今まであそこまで打てなくなったこともないでしょうし、初めての体験で、これだけバッティングって難しいし、打てないのかっていうところまでいっていたと思うんですよね。これでちょっと、いい意味で、ちょっとした自信とかメンタルの方が元気になればいいんですけどね」
――三振が多かったが、変化球の対応が課題だった?
「変化球の対応は、どっちかというとできてるんですけどね。真っすぐを打ち返せなかったっていうことが多かった。そこがなぜ当たらないのかっていうところ。自分もちょっと悩んでいるところなんで、今日は前にボールが飛んだというか、三振もなかったかな? だからよかったです」
――球団として1週間の内の何試合かはスタメンで使っていくという方針があるのか?
「彼に対しての方針とか、細かい数字的なものは全くないので。ただ、可能性がある限り、守備の方ではそれなりに守ってはくれてるし、だからそれに加えてショートを守る人は今少ない。彼にとってはすごいチャンスですよね。打てなくてもというか、リチャードも最初から打てたわけじゃないんで。僕らもずっとリチャード、野村大樹と見てきましたけど、最初から打っていたわけではなくて、彼らも2軍で1割台の成績でいて、それで今があるわけなんで、イヒネもこれを経験しながら成長してくれればという思いはあります」
――野村勇選手のサード起用は1軍からのリクエストですか?
「全くないです。1軍からのリクエストとかは全くなくて。(内野を)全部一応やっているんで、順番的にセカンド、サード、ショートと。彼はそれが求められている選手なんで。今日、小久保監督が来られていたけど、そこで選手たちをどうするっていうのは、何もないですね」
――井上選手が4番の意図は?
「昨日ぐらいから状態が上がってきたっていうのもあって、今のチームの中では4番目に打っていいかなっていう感じですけどね。本当の4番バッターっていう感じでは今はないです。正直、誰もそういう状態の選手がいないので、だから一番、4番に近いんじゃないのっていう感じですけどね」
――井上選手らしい当たりが出ていた。
「本当に昨日ぐらいからヒットがぽんぽんと出て、それが彼の場合は乗っていきやすいタイプなので。昨日、今日と続いたので、それが本物になればいいかなっていう感じですよね。やっぱり続けるのは難しいので」
――笹川選手も3割台に。
「今、彼の1番の成長は、状況に応じてバッティングができるようになってきたっていうのがあって、それにたまたま数字がついてきてるっていう形なので。この前のセーフティバントにしたってそうですし、今までは強引にバット振り回してるだけでしたけど、今は状況を考えながら、今どういうバッティングが求められてるのか、チームにとってどういうバッティングが必要なのかっていうことを考えれるようにはなってきたというところが1番の成長ですよね」
――1打席目も上手くコンタクトしていた。
「そうですね。内野ゴロのセカンドを越したやつもそうです。なんとかバットに当てようと振るんじゃなくて、自分を制御できるようになってきたというか。いい時はいいんですけど、ダメな時はもう全くダメっていうのが彼の弱点だったので。数字が出てるように、そういう意味でアベレージ的に、自分のスイングもコントロールしながら、振れる時は振ったらいいし、でも振ってばかりじゃ、成績が残らないし。その状況にあたったバッティングができるようになってきたっていうのが1番の成長です」