育成「投手」の支配下登録の可能性は? 一番の“成長株”は杉山一樹…首脳陣2人のコメント全文

小久保裕紀監督(左)と倉野信次1軍投手コーチ【写真:竹村岳】
小久保裕紀監督(左)と倉野信次1軍投手コーチ【写真:竹村岳】

小久保監督が明言…川村友斗は「守備固めの1番手で必要」

 ソフトバンクは22日、広島とのオープン戦(PayPayドーム)に2-2で引き分けた。先発した有原航平投手が5回無失点の好投。打線では7回に栗原陵矢内野手、アダム・ウォーカー外野手が2者連続でソロホームランを放った。試合後、小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。倉野コーチはオープン戦を振り返り、杉山一樹投手を「こちらの予想を上回った」と表現した。2人のコメント全文は以下の通り。

○小久保裕紀監督

――有原投手は前回ちょっと体が重いと言っていたが。
「全然もう問題ないですよ」

――安心して開幕戦を迎えることができる。
「はい、そうですね」

――打線では栗原選手がまたいい形で打った。
「そうね。まあまあ、向こうも開幕投手なんで、そんなに打てないですからね。変わりっぱなでちゃんと真っ直ぐを仕留められたんでね。状態が上がってくると打線は厚くなります」

――栗原選手はオープン戦の序盤に比べても打撃の形が良い?
「打ち方はそうでもないけど、でも状態は少しずつ上がってきてるようには、練習見ていればそう感じますね」

――川村選手の1番起用はシーズン中もある?
「今の状態じゃならないでしょうね。今、絶不調になってしまったので。でも、あいつの場合は守備固めの1番手で必要。今日は周東を休ませるつもりやったんで、だからそれで(1番で)行っただけです」

――ウォーカーは4本目の本塁打、打線の中でも存在がかなり大きい。
「それはまあね、最後(9回2死で中飛)も、間違えば1本ホームランあるっていうバッターですから、あのぐらいやってくれれば十分です」

――周東選手、近藤選手がいない中、ジグザグ打線だった。
「うーん、でもどう考えても控えは右(打者)がいなくなると思うので。基本的には出ているメンバーはジグザグで組めたとしても、控えになるのはほとんど左だと思います。最初は」

――緒方選手がいい守備をした。
「そうでしたね。(打撃では)ツーベースと思ったら向こうのファインプレーで取られましたけど。守備も緒方は安心して送り出せるぐらいまで伸びてきました」

――明日の結果次第では、監督にとっても初めての優勝。
「関係ないやろ。何にも関係ない。オープン戦やで、勝つためにやってない。なんも関係ないです」

――近藤選手が欠場だった。
「大丈夫。全然なんの問題もないです。休憩です」

倉野信次1軍投手コーチ【写真:竹村岳】
倉野信次1軍投手コーチ【写真:竹村岳】

○倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)

――有原投手の内容は。
「安心しました」

――先週は50球での降板。スタミナ面の不安は。
「ほぼ問題ないですね。いきなり120球で完投するわけではないので、その辺は心配していないです」

――ブルペンから状態はよかった。
「早く回復できたので、よかったと思います」

――9回に杉山一樹投手が登板して1回1失点。ベンチで話もされていましたが。
「あの場面で1球で仕留められるのは仕方のないことなので、引きずることはないよと。その後に3人できっちりと抑えたことの方が大事だから、成長しているよという話はしています」

――試合前のシミュレーションから、最後は杉山投手だと決めていた。
「勝っていたら杉山、負けていたら違う投手で考えていました。今日はオスナを使わないつもりだったので」

――1点リードの9回という期待が表れたような登板。
「そうですね。経験的にはよかったんじゃないかなと思います。ああいう緊迫した1点差の9回。抑えでの登板って、精神的にも一番成長できる場面だと僕は思います。そういう意味では、今しかできないところでもあるので、杉山にとっていい経験になったと思います」

――その後に3人で抑えたことを倉野コーチも評価している。
「そこに価値があると、今の杉山だとそこに価値があると僕は評価しています」

――投手陣全体で、オープン戦を振り返っての課題と収穫は。
「ゾーンで勝負することを掲げてキャンプからやってきました。数字が物語っていると思います。四球もすごく減ったし、減っただけじゃなくてもちろん失点も減っていると思いますので、そういう意味では手応えは感じています。ただ、シーズンに入って同じような結果になるとは、安易には考えていないです」

――収穫だったと思える選手は。
「想定を上回ったのは杉山じゃないですかね。このキャンプ、オープン戦で、こちらの予想を上回ったのは杉山が筆頭かな。あとは計算している通りに上手くいってくれました」

――杉山投手はロングリリーフでの起用を期待していると思うが、1イニングや勝ちパターンも任せられそうか。
「展開や状況によっては、他のみんなが投げている状況連投をさせられない時に1つのオプションとして増えたのはありがたいですね。接戦の勝ちゲームでも使えるというのはある程度手応えを掴んでいます」

――育成の中村亮太投手と古川侑利投手が1軍に帯同しているが、この2人を競わせているところなのか。
「この2人を、競わせているというよりは投手陣全体で競わせているところです」

――あと2試合しかないが、結果次第で見えてくるところもある。
「可能性は、なきにしもあらずです。ある程度、固まってはいますけど、なきにしもあらずです。ただ、開幕が全てではない。開幕がゴールではないので。今年1年をトータルで見て、というところを考えていますので、そんなに開幕に僕はこだわっていないです」

――日曜日が雨予報なのは頭が痛いところ。
「めちゃくちゃ痛いです。頭痛が今……(笑)。でもいっぱい策はあります。この大きな組織があるので、知恵を振り絞っています」

(竹村岳 / Gaku Takemura)