柳町達、佐藤宏樹、正木智也、廣瀨隆太の“慶応会”「もう店決めてるから」
ソフトバンクの“慶応会”について、4人を取材してみました。春季キャンプ中に、柳町達外野手、佐藤宏樹投手、正木智也外野手、廣瀨隆太内野手の慶大出身選手が一緒に食事へ。4人から明かされたのは、それぞれの代によって違う“あるある”。最もタメ口を使って話す後輩選手は? 食事会が実現するにあたって、柳町選手の男気がさすがすぎました。選手たちのコメント全文を、一問一答で掲載します。
・佐藤宏樹投手
――慶応会があったそうですね。
「ありました! “慶応会”」
――どんな雰囲気でした?
「(柳町)達さんと、廣瀬と正木と、大学の時の思い出話というか、達さんの代から自分、正木、廣瀬って、全部しきたりが違うんです。やっぱり自分と達さんでは似ているようなところがあっても、監督も代わっていますし『慶応と言ったら伝統はこれだよね』みたいなことが、廣瀬の時にはなくなっていたり。ホークスの話というよりは慶応の話がほぼでした」
――監督が代わると当然だが、大学の“あるある”も変わっていく。
「そういう感じです。ルールも全部、その(代の)人たちが決めたことになっていくので。自分と正木とかは基本的には監督が被っているので『そういうルールありましたね』みたいな話をしましたけど。あの時はああだったよな、みたいな」
――何を食べながら?
「焼き鳥屋でした。達さんが予約してくれた焼き鳥屋に行きました」
――一番先輩が予約してくれたんですね。
「なんか『もう店決めてるから』みたいな。自分も宮崎でのキャンプは初めてで、ずっとリハビリ組で筑後にいたりしたので。外に出るのもわからなくて、達さんが慣れているので、全部決めてくれました」
――お会計も柳町選手が出した。
「そうですね! 達さんがご飯もタクシーも出してくれました」
――慶大出身が4人も揃うと、空気も“高貴”になるのでは。
「いや全然ですよ! 会話的には、アホっぽい会話はないですけど(笑)」
――そのメンバーだと、中心はやっぱり柳町選手?
「どうですかね、結構仲良いですよ。割と、達さんも“先輩”していないですし、だからアットホームな会というか。タメ口とかではないですね。正木はたまにタメ口でしたけど(笑)」
「みんな野手で、自分だけが投手なので、またそれも違うし、共有できる思い出はいっぱいありました。話していたら、結構時間が勝手に過ぎていた感じでした」
――面白かった話はありましたか?
「面白い話はないですけど、例えば“アウト制度”ですかね」
――“アウト制度”ですか?
「自分やったら、ピッチャーで1年の時に、ヤカンで水を飲んでいたんです。それで、ヤカンの氷が半分以下だったら、そこを先輩に見られたら“アウト”で、外禁(外出禁止)になります。そういうアウトが、自分らが1年の時はまだあって、そこからやめようってなって、正木とかはちょっとかすってるくらいです。他にもルールを破っているところを見られたら学年全員が外禁になるのはありました」
――柳町選手が2年生の時くらいから緩和されてきた?
「達さんはもうガッツリですね。一番エグいところ経験しています(笑)」
――宮崎のキャンプに参加したから、この会にも参加できた。
「嬉しいですね。もともと、郡司さん(日本ハム)が福岡に来た時にご飯に行こうってなったんですけど、その時はまだ寮生で行けなかったんです。廣瀬も入れて行けたのは初めてでしたね」
・廣瀨隆太内野手
――慶応会があったとお聞きしましたが、どんな雰囲気でしたか?
「楽しかったですよ」
――学年ごとにルールが違う、と。
「だんだん、達さんの代は厳しかったのが、自分たちの時はどんどんなくなっていったというか、そんな話でした」
――聞くだけでも厳しいルールだった。
「そうですね。僕の時はなかったので、大変だったんだろうなって」
――廣瀨選手はキャプテンだったと思いますが、自分たちの代で緩めていこうという空気もあったんですか?
「いや、緩めていこうとはしていないんですけど、僕がもともと緩いので、緩くなっていきましたね」
――廣瀨選手の代は上下関係もそこまでだった。
「全然、自由です」
――柳町選手の話はすごかったですか。
「厳しい……厳し過ぎです(笑)」
――プロに入って、3人も先輩がいることはいかがですか。
「プロに先輩がいなかったら厳しかったかなと、今思えば、思うので。色々と教えてもらいながらやっています。わからないことだらけなので、教えてくれる人がいるだけで安心するので、そこはありがたいです」
――佐藤宏投手は、正木選手が若干タメ口を使っていると話していました。廣瀬選手はいかがですか?
「僕はそんなことないです、みんなにちゃんと敬語使っています(笑)」
・正木智也外野手
――慶応会はどんな雰囲気でした?
「楽しい雰囲気で、昔話をしたりって感じでした」
――代によって、全然ルールが違うみたいですね。
「達さんの時は結構ルールが色々あって、それがだんだんいらないルールがなくなっていったので、だいぶというか結構違いますね」
――正木選手の代は、もうだいぶ緩和されていた?
「僕らはちょうど中間くらいですね。廣瀬が一番色々となくなったんですけど、厳しいルールもありました。僕らが下級生の時はいろんなことを経験しましたし、上級生になってちょっと緩くなった感じですね」
――どんなことが厳しかった?
「普通に、同級生の誰かがルールを破ったら外禁とかはありました」
――慶大出身が3人だったところに廣瀨選手が入団した。4人になって一体感が出てきたのでは。
「そうですね。3人よりは4人の方が幅広くなったので、これからご飯も増えると思います」
――佐藤宏投手は、正木選手は柳町選手に普通にタメ口で話していたと明かしてくれました。
「しゃべってないですよ! たまに、たまに!(笑)。2割タメ口、8割敬語です。宏樹さんに対しての方が、8割タメ口、2割敬語です(笑)」
――でもちゃんと、柳町選手が長男、佐藤宏投手が次男、正木選手が三男、廣瀬選手が末っ子って感じですね。
「そうですね。キャラ的にもそうかなって思います」
・柳町達外野手
――どんな意図で開催しようと?
「別に意図はないですけど、みんなが宮崎に揃ったのが初めてだったので、ただそれだけです」
――実際に4人が揃ってみて、いかがでしたか?
「普通にみんなで楽しく話せたのでよかったです」
――近い世代で、同じ大学出身の選手がこれだけ揃うことはなかなかない。
「確かにそうですね。こんなに同世代が揃うのもなかなかないので、いい意味で気を遣わずに、楽しくできたのかなと思います」
――どんな話が多かったですか?
「普通に他愛もない話ですよ。大学の頃の。廣瀬と僕は被っていないですし、しかも監督も代わっているので。その違いの話とかでしたね」
――今の慶大を知りたい、という感じでしたか?
「そうですね。面白い話がないかなと思って(笑)」
――お互いに刺激しあう存在になる。
「僕とか、宏樹とか、正木とかは大学で被っているんでいいですけど、廣瀬が僕と気まずいかなって思ったので(笑)。ルーキーですし、気を遣うこともあるかなって思ったので(誘いました)」
――それを払拭する意味でも、開催した。
「それはありましたね」
――1日ではありますが、距離は近づきましたか?
「これからもっと、どんどん楽に行けたら。みんなが揃えばですけど」
(竹村岳・米多祐樹 /Gaku Takemura Yuki Yoneda)