ソフトバンクは3日、宮崎県の生目の杜運動公園で秋季キャンプ第1クール2日目を迎えた。小久保裕紀新監督はイヒネ・イツア内野手の動きや、正木智也外野手のバッティングに目を光らせるなど、新体制の2日目を終えた。練習後に取材に応じた。一問一答は以下の通り。
――守備の印象については。
「まだまだでしょう。今日松山(秀明2軍)監督とも話していたんですけど、来年松山さんのもとで一番どう起用するのかというところ。どの練習方法で、どのアプローチをすればいいのかっていうのが、答えはまだない。色々やりながら、彼に合うものを見つけていかないといけないよねって話をしていました。もちろんそれぞれのコーチのやり方があるんですけど、幅広く練習方法のドリルを当て込んでやれればいいかなと」
「(守備での捕球姿勢は)股を割れないんですけど、割らせる方がいいのか、ハンドリングを生かしての方がいいのか、もうちょっと見ないといけないですね」
――サブグラウンドでは仲田慶介外野手、緒方理貢内野手らの動きも見ていた。1軍の監督となり、育成の選手を直接起用することはなくなるが、気になる存在ではある。
「ずっと見ていたやつらなので、そんな特別見ている感じはないけどね。でも『よし、使おう』と思った時点で支配下になれるわけですから。それはそういう選手になればいいと思うので。必要と思った時点で(支配下に)なれると思います」
――就任会見では「美しさ」という表現もされていた。2日ではありますが、選手の変化は感じますか。
「いや、それはまだ2日じゃわからない。昼飯が僕らは長いんですけど、その間にきっちりとウエートはしているので。お客さんにとっては見にくいキャンプかもしれないですけど。真ん中の一番いい時間に人がいないので。でもそれはこちらにも考えがある。フロントの考えがあってやっているので。ウエートで体も大きくしてから、最後にもう1回実技をするっていうアプローチですから。昼休みをどう使おうか、今日も考えていました」
――監督自身の過ごし方が……。
「そうそう、眠たくて(笑)」
――打撃練習では谷川原健太捕手や川瀬晃内野手の動きも見ていた。彼らはユーティリティ的な起用になる。
「えっと、晃(ひかる)は外野手はさせないし。谷川原は、この秋はキャッチャーしかさせない、外野は受けなくていいと言っているので。でも晃のティーを久しぶりに見たんですけど、1軍ってあれくらいのティーをする。ちょっと2軍が長かったので、目がかすれていましたね。晃のバッティングが良く見えました(笑)」
――川瀬選手は昨オフ、2軍監督時代の監督とバッティングを作ったと。
「作り上げたというか、『あのイメージで行ったらいいって』1回話はしたけど。ティーで同じところに打ち返す技術って、それは普通なんですけど。2軍の子はそれができないので。ちょっとずれても、同じところに同じ感じで、ほんの誤差くらいで打てる。あんなバッティングよかったかなって思ったら、打率.236だったので。僕の目がかすんでいるなって思いました」
――2軍監督時代はベンチ裏に打率を紙で貼り出していた。今も三塁ベンチ裏に、打球速度が書かれた紙が貼られてある。
「だって、160キロがない子、160キロの子がレギュラーを取っている子でも最下位なので。ということは、そこじゃない限りはプロ野球選手になれないというか、1軍で活躍できないということだから。目指しなさいということですね」
――選手の数値と向き合う秋になりそう。
「あれは別に今始まったことじゃないですけど、毎日トラックマンの数字は出るし。あれで回転数とかも出ているので、それも調整して。打球角度とかも含めて。僕らの時代にはなかったようなアプローチをしていますけどね」
――監督自身の勉強も欠かせない。
「そうですね。勉強というか、数字の見方くらいはね」
――正木選手のロングティーを見ていましたが、彼についてはいかがでしょう。
「肩(右肩)がまだ万全じゃない。それだけの理由なんですけど。今のフォームの方がいいですね。シンプルというか、自然で。前の打ち方はあまり良くなかったので。後輩(ドラフト3位指名を受けた慶大の広瀬隆太内野手)も入ってくるので、うかうかしていたらこの世界で飯食えない」
――右の大砲としても育ってほしい。
「育ってほしい? 育ってほしいというか、それは出てきてほしいですけど。今年はほぼリハビリ生活だったので。みんな危機感を持ってやればいいと思いますよ。成長には危機感が必要なので」