ロッテとの初戦に大敗…周東は「1番・中堅」で先発も4打数無安打で8回守備から交代
ソフトバンクは14日、ロッテとの「パーソル・クライマックスシリーズ・パ」ファーストステージ第1戦(ZOZOマリン)に2-8で敗れた。序盤から追いかける展開となり、打線も2得点。その中で「1番・中堅」で先発した周東佑京内野手が8回の守備から交代となった。首脳陣が語った理由と、その状態とは――。
相手先発は佐々木朗希。初回、まっさらな打席に入ると、その初球だ。161キロにバットを寝かせてバントを試みたが、投飛に倒れた。難敵からなんとかチャンスを作ろうという姿勢は、プレーボールから示していた。しかし4回、6回、8回とそれぞれ先頭打者として凡退。8回、澤田からファウルを放った際には足を引きずるような仕草も見られていた。
8回の守備、中堅には谷川原健太捕手が送られ、劣勢の中での交代となった。周東は9月29日の西武戦(PayPayドーム)でも途中交代。左ハムストリングの軽度の肉離れと診断され、30日と10月1日の日本ハム戦を欠場。チームのクライマックスシリーズ進出のために、傷だらけになりながらも、グラウンドに立ち続けていた。
途中交代させたことに、森浩之ヘッドコーチは「大事(だいじ)を取って。これからトレーナーと。(何かなった)わけでもなんでもないので。明日のために」と説明した。8回の打席について問われ「ちょっと足を伸ばしていた。そこまで大したことはないと思うけど。本人は『行ける』と言っていたけど、監督が止めた。明日のために、しっかり準備していけたら」と経緯を明かした。
周東は9月29日の西武戦で左足を痛めた時にも、首脳陣に「無理しても行きます」と出場を訴えていた。止められる形で2試合を欠場したが、チームに貢献したい思いは強く抱いていた。10月9日のオリックス戦(京セラドーム)でレギュラーシーズンの全日程が終了。11日にPayPayドームで全体練習を行った際も、周東は打撃回りから外れていた。その練習後、左足の状態について「もう少しですか?」という問いに「そうですね」と返していた。
チームは9月、10月で15勝13敗1分けとなんとか終盤戦を駆け抜けた。周東も同月打率.330と、リードオフマンとして打線を牽引。最終的に36盗塁で、3年ぶり2度目のタイトルにも輝いた。クライマックスシリーズ前には藤本博史監督からもキーマンに挙げられ「塁に出てかき回してくれれば相手バッテリーにとっても脅威だろうし。3番4番がうちの看板なので、そこで返すことができれば理想」と期待を寄せられていた。
下剋上を狙った一戦で痛恨の敗戦。藤本監督も「いるメンバーでやるしかないんだから」と前だけを向く。問いかけに周東本人は首を横に振って、言葉を残さずに球場を後にした。もう敗戦も、引き分けも許されない状況にまで追い込まれた。チームの勝利はもちろん、選手それぞれが、無事に戦いを終えることを心から願う。
(竹村岳 / Gaku Takemura)